よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

尊敬できる医師

 

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私の尊敬する医師のなかに、ERにいたのち、内科医としていくつかの病院を周り、病院の幹部になり、さらにクライアントの病院に転勤してきた医師がいます。
彼は、いつも穏やかで、冷静です。救急車もすべて受けて、自ら診察し処置をして、最適な手段により次の対処を行います。彼の高いスキルにより、どれだけ多くの患者さんが一命をとりとめたか図り知れないほどです。
 彼の洞察力や判断は、経験と知識に裏付けられたものである、といった言い方だけでは彼を表現できないほど、気配りや思いをもって毎日の医療を重ねてきています。高い人格をもって行動しています。
声を荒げない、人の話をしっかりと聞く、慌てない、患者さんはもちろんのこと職員一人ひとりに対しても常に丁寧に対応をします。
 
 別の医師は、ある病院を定年退職後、自治体病院を黒字に誘導した経験からさらに地域の病院管理者としてある病院に就任しています。彼もいつも穏やかで、しかし力強く、情熱的で、気遣いができ、礼儀正しく、奢らない。誰に対しても公平に振舞います。
 いつもダンディであり、時代を見据えた病院マネジメントに長けていて、彼の下では多くの医師が高い成果をあげています。彼の下で働ける職員は、どんなに幸せだろうとときどき考えます。
 
そして別の地方病院の医師も、見かけはとてもいかつい顔をしていますが、実際に戦略について話をしてみると、しっかりとした考えをもち、ヴィジョンをもっていることが分かりました。過去院長との間にコミュニケーションがなかったために自分の意見を開示することもできず、体制批判を繰り返してきた医師でした。
彼は私との1時間のミーティングののち、得意とする手術、件数目標、集患するための方法、受け入れ体制等々について、自分の考えを整理していただき、自ら率先して地域の診療所を訪ね、患者さんを紹介してもらえるよう依頼をする、といった活動を行っていただくようになりました。
 
そのほかに地域で活躍し、本当に謙虚で、アクティブで、医療を中心として人生を組み立てている医師が数多く存在します。
彼らの前に立つと、暖かく包まれるオーラがでていると感じることがよくあります。医師としても、人間としてもとても尊敬できる方々です。医療に真摯に向き合い、一人でも多くの患者を救いたいという思いが全身から、一つ一つの態度から伝わってきます。
 
数多くの病院や診療所で仕事をさせていただいているなかで、こうした医師やそして、看護師、コメディカル、事務のリーダーに出会うことができるのはとても幸せです。医療の原点に帰るという言葉が適切かどうかわかりませんが、まさにそうした事実を教えてもらうことができる機会になります。これらもさまざまな医療機関を訪問するときに、こうした経験を少しでも積み重ねることができる仕事ができたらとても嬉しく思います。