よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

これからの病院

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病院の組織は見事に縦割りです。医局があり、看護部があり、コメディカル、そして事務部があります。それぞれの役割を果たすために、各部署スタッフが目標、目的を持って機能を果たす組織ができあがっています。

しかし、実際のところ、組織の質をしステマティックに改善するための業務改革、リスクマネジメントや感染対策、クリティカルマネジメント、教育制度など、組織横断的に行わなければならない事項について、それがうまく実行されているかというと、なかなか満足することができない病院があります。

それは、以下の理由によると考えられます。
▽これで十分であると思っている
▽課題が明確に整理されていない
▽自分の部署の業務をこなすのに精一杯である
▽統括する人がいない
▽重要性を感じていない
▽協力してなにかを成し遂げようとする意識が醸成されていない
▽変えようと誰かが考えたとしても、結局一人ではできないので諦める
▽現状をおかしいと指摘する人がいない
▽上記システムがなくても医療は提供できてしまう

これらに対し、なんとか解決していこうという意識がない限り、状況は永遠に続きます。

変われない病院の実態です。何もなければよいのですが、これからはそうはいきません。

少子高齢化や政治や官僚システムがもたらす財政逼迫から生まれた消費税問題があり、点数改訂があり、受領率が低下し、医者不足や看護師の定着率が高くない現状があるなかで、いまのままの医療の継続を許してくれはしないことが、その理由です。

45度目線で情熱をもち、使命感と誇りを持って行動するリーダーのもと、多くの職員が、医療の質を担保して、生産性を上げ、合理的な医療を行える病院だけが、地域を守り続けることができるのだと私は思います。
職種にかかわらず、誰かが立ち上がらなければなりません。

一人からでも何かをかえることができると信じています。