権限規程における報告権限について説明します。
報告とは、下位職位者が上位職位者に職務遂行状況につき、その都度又は定期的に、通知すること及び業務執行の結果について上位職位者が下位職位者に説明を求める行為をいいます。
報告を受ける者は、すべての業務に対する責任と権限を持つ者です。しかし、すべての業務を行うことは物理的に不可能であるため、下位資格の者に責任の一部と権限を委譲し、ある行為を行わせています。
したがって、下位資格の者は、自身が権限を委譲され、責任をもって実行した事項について、最終的な責任や権限を持つ者に報告をして、自らの判断が正しかったのかどうかについて判断をしてもらわなければなりません。
そこで、「報告」という行為により、目的を果たそうとすることになります。報告を受ける者は、最後の責任を負っているので、もし、仮に承認権限を持つ者の報告内容に疑問があったり、間違いがあると考えたときには、その内容を修正させることや、再度の処理を行うよう指示することができると考えることが通常です。
ただ、報告を受けて、あ、そうですかということで終わらせるのではなく、報告を受けた事項について精査して、自分の判断と異なるところがあるかどうかについて検討する。
そして問題があれば修正することになります。ここに報告は「最終的な判断をする」ことをいうと理解をすればよいでしょう。報告が行われなければならないことの背景には、上記があります。
「報告、連絡、相談をしっかりしましょう」というときには、その内容を十分に理解したうえでの説明が必要です。何のために受けるのか、させるのかが、まだまだ理解されていない気がします。