よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

台風と医療

いま、私を乗せた空港バスが、少し小雨になった夜の街を懸命に走っています。

最終の便に間に合わせるためです。

病院をで出て他の場所でミーティングをしたのち慌ててバスに飛び乗ったときには、台風で高道路がへ閉鎖されているという噂や、雨で車が混んでいて身動き取れないという話に惑わされ、気もそぞろではありました。

しかし、しばらく立つと、運転手さんの様子から、安心できる状況であることが分かり、気持ちはとても落ち着いています。

このままいけば台風がこの地方を飲み込む前になんとか離陸できそうな状況です。

医療においても多くの病院が、先程までの私の状態にある気がします。先の見えないなかで、いまでできることを懸命に行うことしかできない環境に置かれているからです。

バスをどう運転するのか、(目標達成のために)空港に着くまでに何をしなければならないのか。速く走る方法はないのか、運転手さんをかえたらどうか、万が一のために別の乗り物を用意しなければならないのかなど皆で考えて抗おうとする姿は、病院経営そのものです。

しかし、こうして落ち着いてみると、目的地を変えたり、手前でゴールしたりすることをも含め、何かを懸命に行えば結果は良い方向に向くといった帰結もあるのではないかと思っています。

今日もバスに乗るまで、何人もの人にお世話になり協力をいただきました。その結果がいまであることにも、もちろん感謝しています。日頃の対応、関係づくり、体力、要領等、あらゆることへの取り組みが必要であり、皆の協力をいただいての成果であるという認識が必要なことはいうまでもありません。

まずは、日々やれることをやりきりさえすれば、うまくいくし、目標も達成できる。台風をかろうじて避けることもできると考えています。
ほんの小さな体験でしたが、とても勉強になったひとこまでした。

いま、あと少しで空港に到着すると、アナウンスがありました…。