よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

数字で捉え行動すれば、より高い成果があがる

 

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 今日は数字の話です。数字は客観性があり正直です。なので、組織運営に向いているんですね。

 

 ということで、物事は、定性的か定量的かで認識され測定されます。

 定性的とは「対象の質的な側面に注目する」ということで、また定量的とは「対象の量的な側面に注目する」という意味で使われています。

 

 仕事においては、できるだけ指示は定量的に行うことがよいといわれています。

 

 例えば「この仕事をしておいてね」というのと、「この仕事を30分で終わらせてね」というのでは指示を受けた者の行動が変わります。30分で一定レベルの成果を挙げようと努力するところに、本人の成長があります(指示を出すほうは、少しストレッチをかけた目標設定が必要ですが)。

 

 「いま入院が減っているので稼働率をあげるために増患しよう」というのと「いま入院が昨年同月対比で12%減少している。それは紹介入院が8%、外来からの入院が2%、救急での入院が2%減少していることによる。まずは紹介状を20件とるための活動を開始しよう」というのでは、仕事の精度が異なります。

 

 このように、物事を数字で表し、数字を使い仕事をしていくことで納得性や成果が高まることが分かっています。

 

 「仕事を行うための判断や目印になる」数字を「指標」と呼びます。実際の指標を実績指標、そして目標となる指標を先行指標といいます。

 

 どのような指標を使い仕事をするのかは仕事内容により異なります。

 

 例えば、稼働率を維持しながら平均在院日数を短縮させたいときには、まず、病棟別稼働率、平均在院日数、延べ患者数を算出し、さらに科別稼働率や疾患別患者数などの指標を把握し、分析のうえ課題を発見。

 

 長期入院患者の発生原因は、治療の標準化未整備、感染症や事故件数の増加、介護申請遅延、家族受入れ拒否、転院先不足といったことが分かり、増患とともに、疾患別、科別、病棟別の対策がとられます。それらの件数や発生原因、対策立案が指標化され、行動することで、現状を打開していくのです。

 

 ここに、目標値が先行指標化され実績指標と比較。結果として行動が喚起されて改善が進みます。

 

 この記事では、詳細に説明できませんが、時間、人、件数、個数、%、回数、本数、金額等が単位として使われます。あらゆる事象の定量的管理が成果をあげるポイントです。

 

 なお、指標は感度が良いか悪いかで継続的に使うかどうかを決めます。

 

 指標を管理して、当該指標を改善するために行動しても収益があがらなかったり、費用が削減されない場合に、私は「感度が悪い」といってます。感度が悪い指標は、いつまでも管理していてもムダなので捨てる。新しい仮説を立てて、検証活動を行うという考え方です。

 もちろん、感度が良ければ続けて使うことはいうまでもありません。

 

 入院紹介を増やすためには、診療所からの紹介増。そのたまめには訪問頻度を上げよう、と決め訪問回数で指標を管理したけれどあまり効果がなかった。であれば有効面談回数を指標にしよう、あるいは有効面談時間を管理指標と変え、成果を挙げるといった具合です。

 

 現場でKGI(ゴール=増患)→KFS(成功要因=診療所からの紹介増)→PD(行動=院長との親密化、依頼)→KPI(重要業績評価指標=院長と話した時間)と決めて行動することになります。

 

 多くの病院は、紹介件数や紹介率しか指標で管理していないので、行動に結びつきません。まずは経路別の紹介件数、それらを増加させるための解決策(成功要因)の検討、そのために何をすべきかの決定、指標化と進める必要があります。

 

 ちなみに、紹介は病院、診療所、施設、診療所、ケアマネといった経路があるとすれば、それぞれの特性に合わせたKFS(key factor for success)が必ずあるので、そのdriverを決めて指標化することが有効ですよね。目標管理(BSC)の目標はこうして定

量化されています。

 

  とても便利なので、何か行動するときは、この枠組み(フレームワーク)をいつも使うと良いかもしれません。どの業種でも同じなので、どこでも、誰でも使えますね。