よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

職員が120%の力を発揮する病院に

  患者さんが集まる病院づくり、というテーマは病院幹部の永遠のテーマだと思います。
医師自ら評判をつくるということや、病院のブランドや、ある診療科の強みが患者さんを呼ぶこと、立地や建物が利便性をもって、マイナスの要素がなければ患者さんが来院するといったこと、さまざまな理由により、患者さんの意思決定が行われます。
 
 病院は、そこでどのような方針をもち、患者さんのニーズに応えていくのか、自院の資源を勘案して患者さんの受け入れを決めていきます。
 
 医師が不足するために、入院治療をしてもらいたくてもそれができない病院もありますし、逆に医師がたくさんいても、患者さんが集まらない病院もあり、いつも病院の運営は難しいものだと思います。
 
 ある病院は、その凹凸をなくすために、懸命に時間とコストをかけて医師の招聘を行い、また消防署や他の病院を廻り、いわゆる告知活動を行うことで成果をあげています。
 また、サテライトを強化し、在宅医との連携をとりながら、入退院管理を行い、地域になくてはならない病院になっているところもあります。
 
 病院は、現場の医療資源をどれだけうまく活用し、最大の成果をあげるかということが本来のマネジメントのあり方です。 職員が最大限の活躍ができるよう現場を鼓舞し、さまざまな価値観をもつ職員を一定の方向に誘導していくことが使命です。
 
 ここに頓着しない、あるいは、これに着手しようとしない、さらには問題が分かっていながら手をつけないマネジメントが多く存在します。
 
 トップマネジメントの役割として、まずはどの職員も共感する基本的な考え方や制度を提示し、さらにそのうえで、優先順位をつけた課題を解決するために活動する必要があります。
 
 そこから一歩でも外れることがあれば、どこかに不満や不安が蓄積し、放置し続ければ埒があかない状況になることは間違いがありません。職員が少しずつ、あるいは崩れを打って退職していく病院がそれです。トップマネジメントが「社会の良心が集約された病院」の運営を阻害してしまう結果です。
 
 毎日、さまざまな病院を訪問し、トップマネジメントの病院運営の手法をみていると、いろいろなことに気が付きますし、考えさせられます。また、我々も関与できない領域の事項も数多くあることを思い知らされます。
 職員が120%力を発揮できる病院が増加すればするほど、医療の質は向上し、また地域が守られる。そのことを心から認識し、改革に取り組むトップマネジメントが増えることをいつも期待しています。