よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

日本の医療を護るために

 
  私のクライアントの整形病院が7:1から10:1に看護基準を変更しました。重症度が維持できなかったからです。在宅復帰率は維持しつつも、重症度が維持できないという病院が数多くあり、7:1削減目標の9万床を大きく上回って7:1病床が減少するといわれています。なかなか厳しいことです。
 
厚労省は医療費削減のために、いままでの枠組みを壊そうとしています。もちろん、すべてが問題ではなく、厚労省のこうした動きを拠り所として、というかいたしかたなく、業務改革を進め、質を担保しながら合理的な医療を行うことができる病院が生まれてくる可能性もあります。
 
ただ、そうではない病院もあり、負担が増えることによる看護師の離反が起ることも予想されます。それはそ病院の機能を奪い、結果として地域医療の質を貶め(おとしめ)てしまうことになります。
 
医療制度改革がよい方向に進むためには、痛みをともなう改革が必要であり、それを乗り越えることができる病院だけが地域医療を護ることができるという結論です。日本の医療を死滅させないために、職員が踏ん張る必要があるという帰結でもあります。医療従事者の皆さんはなんとかいまを頑張ってほしいものです。