よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの体系的変革(12)道具と設計図

これはすべての行動に有効な考え方ですが、説明します。
リスクマネジメントを行なう、これは医療事故を抑止する、撲滅することが目的です。

しかし、事故をなくせ、対策を徹底しろ、なんでやる気がないのか…といった院長の声は現場には届きません。なぜならば、彼らに言われていることは、
①森に行き
②木を切り
③製材しなさい
④その道具は自分達でつくってね
⑤そして自分達で考えて
⑥環境にあった
⑦患者さんに評価される
⑧そうそう家族支援も同時にできるよう
⑨いわゆるよい家を
⑩早く作りなさい
と言っているのと同義だからです。

成果をあげて欲しいのであれば、
①ヴィジョンを示し
②評価制度を導入
③教育も実施
④道具も提供
⑤切る木を提示
⑥製材の設備も提供
⑦但しノウハウは自分達で工夫してね
⑧設計図を提供します
⑨問題があれば設計変更しても良いけど報告してね
⑩くぎものこぎりも、そしてかんなも…といった道具は提供します
⑪計画はこうで、各工区の分担はこうで、個人はこんな目標をもって仕事をしてください
⑫わからなかったら議論しよう
といったマネジメントが必要です。

こうしたなかで、リスクマネジメントは(だけではなくすべての制度構築に該当しますが)、より具体的に対策をもって実行され、事故を低減させ、結果として医療の質は向上し、患者さまに評価される病院をつくりあげることができるのだと考えていますし、日常、そうした内容の指導をさせていただいています。

貴院のトップはどちらの考え方をもっているのでしょうか。