内部牽制(牽制→相手の注意を自分の方に引きつけて自由に行動できないようにすること〔広辞苑〕)制度によって、資産保全を行なうとともに、誤謬(ごびゅう=間違い)、不正を防止します。
早い話が仕事の仕組みのなかに、お互いにチェックするという作業を入れること、をいいます。
会計であれば、預金勘定と債権勘定を一緒に担当しない、といことがあります。
一緒に担当するとすれば、債権を未だ回収していないとした処理を行なうことで、預金が入金していないことにするなど、横領ができるからです。不正が発生しそうな処理を同一人が行なうことは結局は組織のロスを発生させます。最終的には不正は露呈しますが、一定の期間隠蔽をすることができます。
勿論他意がなく処理の間違いがあったときにおいても、それを気がつくことができずに時間を経過することがないよう、やはり関連のある勘定科目は担当しないことが必要です。ある者が処理した結果を受けて他の者が仕事を行うことにより、自動的に牽制が働くという仕組みをつくることが必要です。これを内部牽制といいます。
仮に担当する場合には、間違いが発生しないよう、そして不正を早期に発見できるよう、誰かが誰かの仕事をチェックしなければなりません。
在庫処理についても、仕事の仕組みのなかに定量的な目標と、こうした牽制機能があることによって、適正在庫、定数管理ができるようになりますし、払い出しにおいてロスがない、無駄のない在庫の利用ができるよう誘導されることになります(続く)。