事業経営をうまく行うためには、うまくいく道理(物事の正しいすじみち)、や原理原則(基本的な決まり)を知ることが大事です。
ビジネスでいえば、どんな事業であっても、収益をあげ費用をかけないことで利益やキャッシュフロー(以下CF)を得ることが必要です。
ビジネスの目的がビジョンを達成することだとしても、当該ビジネスが顧客から評価されて利益やCFが生まれなければ事業は継続できないし、結果としてビジョンも達成できないからです。
収益=顧客数×単価です。費用には変動費と固定費があります。どうすれば到達点に辿りつけるのかを考え、実行することが事業成功のポイントです。
まったく市場にない商製品・サービスであれば、ターゲットを明確にしたうえで、いくつかのツールを使い、その価値を測定するための市場調査を綿密に行います。
既存のものであれば、ターゲティングのあと多くの成功事例を検証し研究をしつくしたうえで市場調査、SWOTやポジショニングによる到達点を決めます。
市場分析やターゲティング、ポジショニングにはさまざまな手法やアプローチがあるので必要と考えるものを都度活用するとよいでしょう。
もちろん、漏れなくダブりなく(MECE=ミーシー)行ったつもりでも、人は全知全能ではなく、実務では始めから絶対にうまくいく到達点を決められるわけではありません。できるだけ保守的に、そのときのベストはこれだと決めて始めていくことが必要ですね。
次に、現状の把握→到達点と現状の乖離分析→解決策の検討→計画立案(以上ASCS=アスクス)→PDCAでの展開を行います。ここで重要なことはガバナンスです。「決めたことは必ず行う」と決め、予算編成を行ったのち、月次での予算(月次決算・KPI)管理をしっかり行います。
予算管理を行うということは、計画通りに物事を進めるという事を意味しています。目標管理や日々のリーダーシップが求められる所以です。社員の評価や教育、組織内外連携、タイムマネジメントが適切に実行されなければなりません。
もちろん、決めた通りに成果があがらないことも多く、日々工夫をしながら行動を修正し、どうしたら目標に辿りつけるのか挑戦することが仕事です。
多くの組織でみられらように勢いだけで必要十分なPがなく、Dのみで(場合によればDさえ中途半端で)CもAもないという事態は絶対に避けなければなりません。
さて、「PDCAは古い・遅い」といった批判があります。代替例として、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒルが提唱したPDR(PはPrep[準備]、Dはdo[準備]、RはReview[評価])や、ジョン・ボイドのOODAループ(Observe[観察]、Orient[状況判断、方針決定]、Decide[意思決定]、Act[行動])が挙げられます。
何を言っているのか詳しく知りたい方はネットで検索してみて下さいね。
結局、これらはPDCAサイクルの長さや、それぞれのアイテムの意味、使う観点を変えることによる主張です。
フレームワークが機能する、しないの分かれ目は、当たり前のことですが、「事業成功のポイントを押さえ、やるべき事項や具体的方法・手段等を適切な計画に落とし込み、日々、超短期(1ヶ月)、短期(1年)において、個々人が役割を果たす」こと。
基本的な考えかたはPDCAで充分であり、やるべきことを具体的に決め、可視化しながら(修正も含め)日々行動することが重要です。フレームワーク(道具)の定義や意味は大切ですが、本質を忘れてはなりません。
なぜを明確にした上で、最低限、誰が何を、何時までに、どのように、いくらでやるのかを決めてその通りに行動できるかどうか(自分や組織を律することができるかどうか)が大事です。
PRPもOODAも、もちらんPDCAも打ち出の小槌ではありません。提唱者が何を伝えたかったのかを理解し、PDCAサイクルの大筋のなかで思いを反映していけば良いのです。
道具を使いこなし、成果を挙げるのかの主体は「言わずものがな」ですが、使う側にあることを忘れてはなりません。
ということで、何かをうまく行うためには、
- 情報を集めて分析し決める
- 具体的な計画に落とす(P)
- 一人一人の役割を決め決定事項を絶対達成するという意識で行動する(D)
- ガバナンスの仕組みの中で日々の柔軟な管理(C・A)を行う
の4つの手順が必要と整理できました。
事業は複雑でどうすれば成功するのかという質問に王道はありません。時代や環境、競合、選択した事業、ビジネスモデル、経営資源、リーダーシップに大きく影響を受けるからです。
しかし、少なくともここで説明した「うまくやるための4つの手順」をしっかり理解し、自身に当てはめ活用していくことが有効です。
厳しい時代4つの手順を再確認し、前に進んでいきたいと思います。