よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院改革のための取組み

f:id:itomoji2002:20200223222635j:plain


 病院を変革することは、課題を解決することと同じ意味です。病院をどのようにしたいのかが明確であれば、現状との間に必ずギャップがある筈です

 こうしたいのにできないという問題点です。問題点を解消するためにはこうしなければならない、という課題があります。課題を解決することにより、思い通りの病院をつくりあげることができます(もちろん、こうしたいという思いがなければギャップは生まれないので、改革も始まりませんが!)

 

 思い通りの病院をつくるために病院変革を行うことを職員全員が受け入れることから変革が始まります。この部分が腑に落ちていないと、笛吹けど踊らず、ということになりがちです。

 

 なぜこんなことをやらされているのだろうという思いは、こんな病院をつくりたいという思いが浸透していないことが原因です。浸透することは、誰かがこんな病院をつくりたいといっているというレベルではなく、自分もそう思う、自分もそうしたいという段階に到達することを意味しています。

 

 病院の進む方向、到達する状況を誰もが共有することが理想です。もちろん個人の価値観は多様であり、全員が100%同じ意識になることは不可能でしょう。

 しかし、仕事をしていくうえでの大よその部分で同じ思いをもつ、ということが重要です。多くの職員がそう思っていればそれは組織の文化となり引き継がれていきます。

 

 その思いが風化したり、劣化しないように常に組織は働きかけをしていきます。

マーケティングを怠らない、戦略をつくり続ける。その達成のために事業計画を立案し、医療と財政のバランスをとりながら、常に課題を発見し解決することで、意識をもって事業計画をそれを達成しようと努力する。

 目標管理制度や評価制度、教育のシステムがなければなりません。形式ではなく実質的にそれらが活きるためにはすぐれたリーダーが必要です。中間管理職教育を制度化していかなければなりません。誰かが制度をつくり、仕組みを整備し、それを導入して運用する。機能させる、進化させるプロセスを管理します。

 

 思いだけではなく、具体的な手法が必要です。経営学は産業革命以来進化してきた社会科学です。形式を真似するだけだったり、思い付きの経営をするのではなく、しっかりしたロジックをもっての対応が必要です(ガバナンス、可視化、増患、生産性向上[コスト削減、医療の質向上]などが重要です)。

 

 ここで最も重要なことは職員のコミットメント(公約)です。職員が能動的に行動できるよう、目標と彼らの思いをすり合わせ、支援を受けながら組織目標を達成することがやりがいにつながる仕組みを導入しなければなりません。

  ここではロジックを実践し、経験を積み重ねていく時間も必要です。

正しいマネジメントを行えるリーダーの活動を継承する人材が育成される。そうして病院改革が継続されます。職員の教育を怠ってはなりません。

 

 病院それぞれの課題を明確にする、その解決のための手法を開発する、仮説を立てて徹底して実践する、評価して修正する、その連続のプロセスに評価される病院が生まれます。                        

 どのような病院をつくりたいのか。しっかりと考えを整理し対応する必要があります。

 

地域密着型診療所のあり方

f:id:itomoji2002:20200221084257j:plain


診療所には、さまざまな診療科がありますが、基本は初期の診療を行い、対応できなければ病院への紹介を行うことが診療所の機能です。

 

  地域密着型診療所とは、文字通り地域に密着し、浸透する診療所をいいます。密着し浸透することは、地域住民から頼りにされ、何かあればそこに相談に来るなど、「地域になくてはならない存在」になることを意味しています。

  単にプライマリーケア(初期の医療)を行うという役割だけではないのです。

 

診療所の医療圏は500mといわれていますが、曜日や時間により診療圏は広がる可能性があります。日曜や祝日、夜間に診療を行う診療所が少なければ、他の地域からも患者を呼ぶことができるからです。

 

ここにいう自院の周辺の「地域になくてはならない存在」になるためには2つの活動が必要です。

 

(1)地域活動

  まず、院長やスタッフが地域住民によく知られていなければなりません。診療所のなかで活動するだけではなく、院長やスタッフがあらゆる地域活動に参加し、地域に貢献することが必要です。

  自治会に参加する、お祭りにデスクをつくり万が一に備える、近隣の校医になること、イベントに診療所として参加すること、講演会を開き地域住民の健康管理に資すること、レストランとコラボして「生活習慣病と食事」などのセミナーを行う、健康クラブを組織し、会員をあつめながら地域住民の知名度を高めていく、ことなどなどがそれらです。

 

 (2)診療の質向上

 もちろん、診療所の信頼を得るためには、スタッフ教育に力を入れるとともに、待ち時間を短くする工夫や適切な診療、円滑な業務フローをつくることが不可欠です。業務の棚卸をしたうえでマニュアルを作成し、また教育を徹底して行い、業務改善を行い、クレームがあれば直ちにそれを糧として活動し、より高い質の活動につなげるなどの活動が必要です。

  健康で豊かな生活を送ることができる地域住民をどれだけ増やせるのかが診療所の機能であり最終的な役割だと思います。

診療所での医療の質を高め、いつでも頼りになる診療所だという思いをもってもらうとともに、患者を待つだけではなく自ら進んで地域にでて、疾病予防や健康管理を積極的に行うこと。

地域に溶け込み、地域から必要とされる地域密着型診療所となるための有効な活動だと理解しています。

 

成果を出しやすいCIMとは何か

f:id:itomoji2002:20200220232207j:plain


 組織におけるあらゆる階層において随時の意思決定が行われています。トップマネジメントが行う意思決定を経営意思決定といいます。

 

 トップマネジメントは常に組織運営に必要な決定を行い、結論を出さなければなりません。経営意思決定を行うことは彼らの重要な役割の一つです。それでは組織トップ は、どのように決定を行えばよいのでしょうか。

 意思決定による管理方法にはトップダウン、ミドルアップ、ボトムアップといった方法があります。

 

 しかし、トップが独自で意思決定を行い下位に指示を行うトップダウンメソッドでも、中間管理職が軸になるミドルアップメソッドでも、そして現場の意見をもとに意思決定を行い行動するボトムアップメソッドでもなく、トップマネジメントが着想し、現状分析→情報収集→仮説立案→情報収集→仮説検証→情報収集→仮説立案…というサイクルを繰り返しながら確信がもてたところで意思決定を行い下位に落とす、形をとることが有効です。

 

 トップマネジメントが現場や中間管理職と「コンスタントにやり取りをしながら意思決定を行い管理する方法」を、私はCIM(コンスタントインターチェンジメソッド=シム)と名付けました。

 

 CIMでは、意思決定を行うトップマネジメントが情報収集を行い、自分の考えを整理したうえで、情報を下位に流す。そしてその考えが正しいかどうかを情報を収集し、検証作業を行い判断を行う。そしてまたその考えが間違っていないか、情報収集により確認し…という作業を納得いくまで繰り返し、最終的に意思を決める、というながれをつくりだします。

 

 決めたことをいきなり落とすトップダウンでもなく、現場の意見を尊重し判断をするといった意思決定ではなく、一端ボトムに落とし現場の情報を得て、検証し結果をミドルに落とし、彼らの持つ情報を判断するというプロセスを何度も繰り返しながら、さらにマネジメント層と議論し考えをまとめる、といったトップマネジメントと組織内を行き来する(ギザギザした)やり取りのなかで、最終決定を行うものです。

 

 この方法による意思決定は、既に現場の事情や意見を汲んでいるし、中間管理職の考え方も聞いた結果なので、トップマネジメントから、ある決定による指示が行われたとき、組織に受容れやすい、なので皆が同じ方向を向いて行動することができ、成果を出しやすいというメリットがあります。

 トップマネジメントが何かを決めるときに必要以上に時間がかかるのではないかという懸念は必要ありません。時間があるものはじっくりと、ない案件については効率的にCIMプロセスを廻すことができると考えています。

 

 CIMを採れば、組織構成員に「この件については現状や自分達の思いを反映している」、という安心感があります。もちろん、トップが現状を把握して回るというのではなく、例えば経営企画などの部署や、皆を集めて意見を聞く、ということでもよく、実は、トップダウンメソッドにもこうした領域は含まれている、と感じる方もいるでしょう。

 

 しかし、敢えてCIM(シム)と定義することで、明示的にトップマネジメントによる意思決定には、各階層を行き来しながら主体的に情報を集め、、仮説検証を繰り返し徐々に意思を固めて、最終的に意思決定し組織に落とす、という意思決定プロセスを採っている、ということを組織内に明らかにすることができます。

 

 あるときにはCIMっぽいプロセスを経るがそうでもないときもある、というのではなく、常にこの組織では、経営意思決定はCIMで行う、という組織における共通認識が必要という考え方です。

 

 ないとは思いますが、トップマネジメントは、誰かの情報を鵜呑みにしたり、思いこみにより最初に得た情報をそのまま信じ何かを意思決定してしまうことは避けなければなりません。

 決めなければならないことに対し、責任をもって経営意思決定を行うためには適切な仮説を立て、検証行動をとりつつ、情報を得たり質問をしたりする信頼に足る、また信用できる情報網をもち活用することが必要です。

 

 自ら常に研鑽し情報を収集するとともに、内外ブレーンを情報収集を行う領域に配置し、テーマ設定→仮説設定→現場訪問→状況を把握→情報聴取・掌握による仮説検証→再仮説設定→次の階層→…というながれで活動します。

 

 トップダウンメソッドでもない、ミドルアップメソッドでも、ボトムアップメソッドでもない、経営意思決定方法、CIM(コンスタントインターチェンジメソッド)を意識したうえで、率先して行動する。これがあるべき経営意思決定を行い、管理するための重要なポイントだと考えています。

 これからも円滑な組織運営のためのCIMについて、研究を重ねていきたいと考えています。

 

すべての仕事の源泉とは

f:id:itomoji2002:20200219164301j:plain


 どのような仕事でも、目的を達成するための方法や手順があります。人が道具をつくり、機械装置をつくり生産活動を行い、改善を重ねながら量を増やしコストを引き下げ、質をあげる積み重ねてきたことにより、経済が成り立っています。

 先達が長い時間をかけて、発明し、開発し、改善し、進化させてきたことにより、現代に生活する人類は便利で豊かな生活を送ることができています。私たちにとれば所与であっても、振り返るとすごいことだと考えています。

 

 医療においても同じことがいえます。医療は血のにじむ多くの基礎研究や臨床エビデンスにより裏打ちされているし、医療機器や薬剤、医療材料や医療消耗品もすざましい研究開発により生まれています。医療はこうした知見や道具やシステムにより成立しているのです。

 しかし、これらを利用して成果をあげるのは人です。

 

 医療機関の職員が現場で一定の情報にもとづき、時間を管理しながら、合理的にカネを使い最適なモノを得て、医療を提供することで、治療が行われます。

医師、薬剤師、看護師、検査技師、放射線技師、ME、テクニシャン、事務職等々さまざまな職種のプロフェッションが日々業務を行うことになります。

 

 そこで必要なのが、業務のながれを明確にすることです。どのようなエビデンス、そして方法や手順により医療が行われているのかをしっかりと整理して標準化することが必要です。

 標準化されていない業務があると、大まかには同じであっても、職員によりやり方が微妙に異なることもありえます。

 ある人は早くうまく業務を行うことができるけれども、ある人はできるけれどもうまくいくのに時間がかかる、ということがあれば、医療の質を常に担保することは困難です。

 

 リスクマネジメントは業務をできるだけ標準化することが着眼にあるし、クリティカルパスも業務を医療のエビデンスに沿って、もっともよいやり方で標準化することを目的としてつくられています。

 また、看護過程において観察、診断、計画、実施、記録、退院要約というながれがあり、常に管理されているし、個々のマニュアルが整備されているので、安心して看護を行えると理解しています。人材育成についても柱に、例えば職能等級制度があり、考課方法が標準化され、職務基準がありマニュアルがあるために、また、目標管理があり業績の正しい掌握と考課を行う仕組みがある、そして理論的な賃金テーブルがあるために、公平公正で平等な処遇を行うことができるのです。

 

 業務フローが確立していない病院は、いつも曖昧な、そして納得できないことの積み重ねのなかで人のスキルに強く依存し、目にはみえないかもしれませんが、蛇行するように運営されています。人の関係や、仕事のやり方、患者や家族からのクレームへの対応に多くの時間を割かなければなりません。

 

 再度自院の業務が正しく管理されているのか、道具が整備されているのかについて病院トップは反芻する必要があります。人材育成や改善活動も含んだ医療における網羅的な業務フローがあるべき形になることにより、人が育ち、仕組みが見直され、より高いレベルでよい医療を提供することができるようになるからです。

 

 一度、自組織の現状がどのようになっているのかを見直し、課題を整理してみると良いでしょう。

責任と成長カーブ

f:id:itomoji2002:20200214161736j:plain

責任とは自分が引き受けて行わなければならない任務をいいます。引き受けて行うことにはその任務の目的を達成することを含みます。

目的を達成できませんでした、というのは責任を果たしたことになりません。

そうであるとすれば「責任をもつ」ことは「責任を果たす」と同義であり、付随する目的を達成する、成果を挙げることを含む概念であると分かります。

 

責任=義務といわれることがありますが、責任そのものが義務と同じ意味ではなく、責任を付与されると、それは実行しなければならないこととして義務が生じるというプロセスだと理解しています。

 

いずれにしても、義務であろうがなかろうが、責任という文字には、自分が引き受けた限りは、目的を達成しなければならない任務として、懸命に行動することが含まれているのです。 

ここで、職員の責任、中間管理職の責任、経営者の責任は、それぞれどのようなものか考えます。

簡潔に述べれば、職員の責任は「勤務時間内に業務を一定の質を担保して行うこと」だし、中間管理職の責任は、「自分の主管する部門の目標を達成すること」、そして経営者の責任は「価値を創造すること」だと考えます。

もちろん経営者が価値を創造するためには、職員が力を出し切る、リーダーが適切なリーダーシップを発揮する、顧客(患者)の期待に応える、結果として目的を果すことが必要で、そのための人材育成や仕組みづくりが欠かせません。組織を継続させるためには多くの責任が伴うんですね。

 

責任をもって行動することは容易なことではなく、ここで説明した階層にある者は、それぞれが常に努力をしなければ責任を果たせない、と考えるのが通常です。

役職があり、ただ日々仕事をしているだけでは責任を果たしているとはいえません。

目標を達成し責任を果たすため、自分は何をしなければならないのか、何が不足しているのかをチェックし、足りないところを補いながら計画的に行動する必要があります。

 

こうして考えると、責任をもって何かを行うことを繰り返すことで人は壁を乗り越え前に進めることが分かります。責任を果たすための活動を多く行えば行うほど、力をつけることができるという帰結です。

組織で目標を立てる→責任をもってクリヤーする→以前より高い目標を立てる→責任をもってクリヤーする、といったながれをつくれる場に身を置くことの意味がここにあります。

 

責任をもち行動できることを喜びとし、責任を求めて果敢に挑戦し続け、自らの成長カーブを逓増させていける人生を送れたら、なんて幸せなんだろうと思います。

 

経営可視化のためのツール

f:id:itomoji2002:20200211222507j:plain


 月次で作成された月次決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)は毎月チェックしなければなりません。組織がうまく運営できているか、いないか、平易にいえば儲かっているのかいないのか、儲かっているとしたら何が原因か、また儲かっていないとすればどうすればよいのかを明らかにしていかなければならないからです。

 

毎月決算書をチェックする方法のひとつに経営分析があります。経営分析はいくつかの確度から、決算書を分析することをいいます。

経営分析によって会社の経営成績や財政状態、そして資金繰りを点検して、経営がうまくできるよう、また悪化しないように事前に対処することが大切です。

 

経営分析とそれに基づく対処ができていれば、どこに注意すれば儲かるのか、また、事業が悪化することを最小限に食い止めることができます。

会社の売上や利益、資産状況と各種経営指標を日ごろから把握しておくことが必要です。 

 

  経営分析は会社の健康診断といういい方がされます。健康診断を毎月行う人はそう多くはいませんが、少なくとも経営分析は毎月行なわなければなりません。場合によれば、その応用を行い、事業単位毎や顧客ごとに行うことが有効です。

 

  なお、事業単位毎に分析を行うのであれば部門別損益計算、また、顧客毎に行うのであれば、顧客採算分析といった別途の管理会計を使わなければなりません。

 

  さて、経営分析には、損益計算書から各利益みる収益性、資金が効率的に活用さているかる効率性、資金の余裕度をみる安全性、人がれほど付加価値を生んいるのかをみる生産性、どれくらい売上を伸ばしているのかの成長性、そ

 して、利0となる売上高はいくらかをみる損益分岐点分析、さらに資金は足りているのか、どように使われているのかをみる資金分析があります。

 

 なお、資金が足りているのか、どのように使われているのかをみるためには、資金繰り表やキャッシュフロー計算書が便利です。資金繰り表は毎月資金の収支がどうであるのか、入金と支払いが合っているのか不足していないのかについて検討を行うものですが、キャッシュフロー計算書は、営業により得られたキャッシュのながれかから投資で使うキャッシュを控除して資金が不足していれば財務によりキャッシュを手配したり、余っていれば返済を行うという情報を提供してくれる計算書です。

 

 現在の売上高と損益分岐点がどのくらい乖離しているのかをみたり、資金を管理する2つの資料を使うことは、組織運営上とても重要な事柄です。

 

 経営分析を組織の可視化のために活用していかなければなりません。もちろん、より詳細に分析を行おうとすれば指標分析を行います。財務指標の構成要素までブレイクダウンして分析を行います。実務的に現場で行われる方法です。

 

 皆さんがよくご存じの 目標管理の一方法であるBSC(Balanced Scorecard)にいう、KGI(Key Goal Indicator)→KFS(Key Success Factor)→PD(Performance driver)→KPI(Key Performance Indicator)のながれで設定した、成功のカギとなる指標の分析です。

 より戦略的な見方をするときには、これらの設定の成否や実績が伴った活動ができたのかを、組織で設定しているKPIを活用して行う必要があります。

  経営分析だけでは、行動レベルの分析はできい、

 という限界も知らなければなりません。

 

理性をもって対応する

f:id:itomoji2002:20200211121328j:plain


 感情とは喜ぶ、悲しむなど心の状態、気持ちをいいます。感情的になるとは、理性を失うことをいいます。理性とは、道理によって物事を判断する心の動きをいうので、理性的とは人間のもつ本能や感情に動かされず、冷静に判断に従うことをいうのです。

 

なお、人により喜ぶことや悲しむこと、そして好きだったり、嫌に感じる事柄は異なります。それはその人の経験や価値観により影響を受けます。

なのである事象があったときに、人により感情の振れは大きい人、小さい人がいると考えます。

 

しかしそれらを総合して、社会で多くの人と助け合いながら生きていくためには、すなわちより良い社会生活を送るためには、理性を優先することが有効です。

とりわけ社会人として仕事をしていくときに感情的になってはコミュニケーションが成立しません。

たとえば、ある人が不適切と思われる発言をしたり何かを起こしたとき、自分の内面に起こる感情を俯瞰し、理解したうえで整理し、「 彼の言動は適切か、なぜ彼はこのようなことをいうのか、してしまうのか、その背景や原因は何か、その原因を理解してもらう、あるいは排除するために自分はどう行動すればよいのか、行動しないほうがよいのか」を判断し、対応することが必要です。

感情的になる場面を想定すると、理性にスイッチを切り替える時間をもたずに表現してしまうことが通常で、少し時間があれば、スイッチをオンにすることができると考えています。

もちろん、常に冷静になり感情を内面においても客観視できる訓練をすれば、事象→内面感情的→理性→対応ではなく、事象→冷静→理性→対応となるので、スイッチを切り替える時間はほぼ0、すなわち瞬時にある事象に対応できます。感情を呼び起こさない日々の訓練が求められます(嬉しい、悲しい、好きだ、嫌いだという感情を持つなということではなく、持ちつつ引き摺られないことをいっています)。

 

なお、このときに重要なことは正邪を見分ける能力と推論力です。「彼の言動は適切か、なぜ彼はこのようなことをいうのか、してしまうのか、その原因は何か、その原因を理解してもらう、あるいは排除するために自分はどう行動すればよいのか、行動しないほうがよいのか」のプロセスがうまく働かない、正解ではないときには対応を誤ります。大正解ではなくても、正解に近づけるよう、正義をもって情報を集め、常に学び、自らを律し、善を追求することが必要です。

 

なかなか難しいことで、最期までその姿勢を持ち続けても、完璧にはできないレベルにある事柄ではありますが、人として恥ずかしくないよう、社会人として適切に行動できるよう、感情的にならずに、物事の正しい筋道や人として行うべき正しい道である、道理をもって、ぎりぎりエッジにぶらさがりながらでも適切に対応できるようになりたいと思います。

 なお、今日のテーマはリーダーシップのあり方とも連関があり興味深いテーマです。このテーマについてこれからも継続的に検証していくことにします。