よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

納得が力を生む

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Amazonほど便利なものはありません。

湧き上がる欲望を満たすため(笑)毎日のように私はポチポチしています。

 

Amazonを始めて間もない家内も、Amazonで気軽に買い物ができる楽しみを知ったようで、いつも商品が届くのを楽しんでいました。

 

先日、彼女はある商品を注文しました。

 

いつものように、商品の到着を楽しみにして待っている様子でしたが、しばらくして家の玄関に置いてあったものは、注文したものとは似ても似つかない商品でした。

 

私は何十回とAmazonで買い物をしていますが、こんな目にあったことはありません。初めての残念な経験です。なのでAmazon初心者の彼女の落胆ぶりは目に余るほどで、対応が分らず困惑していました。

 

見るにみかね、私はただちに家内をサポートし始めました。

 

サイト内で商品違いのときの手順をチェック。ネット上での返品処理を行い、QRコードの発行を受けて、手続きを行うためヤマトの営業所に行きました。

 

ヤマトの窓口も忙しそうで、適切な説明もないなか、前にいた客がやったように、設置してあるタブレットに見よう見真似でQRコードをかざし、何とかAmazonの配送票をプリンターで発行。返品する商品と配送票をヤマトの人に渡して無事に処理が終わりました。

 

間違いが分ってから1時間ほどの時間が経過していました。

 

この経験は、何かを行うときにどのように感じたのかを検証するよい事例であると思い、少し振り返ってみることにしました。

 

彼女がオーダーした商品は値が張る商品でしたので到着した異なる商品を返品し、元々の商品の返金をしてもらうことは、「やる必要のあること」でした。

 

処理の方法が分らず狼狽する家内を横に、泣き寝入りをするわけにはいかず、私にとれば返品・返金処理は「やらなければならないこと」であるのは間違いありません。

 

しかし、初期においてこの処理は、少なくとも「やりたいこと」ではありませんでした。

 

「やらなければならないこと」は、「やりたいこと」から生まれたのではなく、「やる必要のあること」から生まれたのですね。

 

煩わしく時間のかかることなので、「やりたくはない」けれど「やらなければならないこと」になります。

 

こうして振り返ると、対応しなければならない何かは、簡単に以下の4つに分類できます。

  1. やりたくないけれど、やらなければならないこと
  2. やりたくないわけではないけれど、やらなければならないこと
  3. やりたくて、やらなければならないこと
  4. やらなければならないと意識もせず、どうしてもやりたいこと

 

仕事では、1と2が多いという人もいるでしょう。

 

上司から指示されたやりたくない嫌な仕事もしなければならないのが1.体調がすぐれないとき、それほど嫌ではないけれどやらないと帰れないしな、が2のイメージです。

 

さらに、自分の能力には自信があり、仕事を任せられるのはプライドをくすぐる。なので、やりたい仕事だけど、任せられた仕事をするのは3ですね。

 

4は、自分で「これやります、やらせてください」のレベルで、将来のために力をつけたい、大好きだ、といった前向きに取り組める仕事です。やらなければならないという義務感は微塵もなく、出来る限りトライしたい、やりたいことです。

 

もちろん4は、イコールやらなければならないの範疇に入りますが意識せず、やりたいほうが優先することですね。イメージがつくでしょうか。

 

そう振り返ると、今回は、実は、とてもよい経験ができたと思い直すことができました。

 

  • Amazonでもこんなことがあるんだと思えた
  • ピッキングの業務にフローのどこかに課題があることが分った
  • それはどのような理由によるのかを想像できた
  • Amazonの返品処理方法について知ることができた
  • 実際に行動しヤマトに出向いたことで、ヤマト側の対応の課題も見えた

というのがその理由です。

 

なので、自分の気持ちや感情が先程の「何かをするときの分類」によると、当初は、1だったのが仕事柄の興味から2になり、さらに2から3にまでレベルに高められ、楽しめたということになります。さすがに4の意識にはなりませんでしたが。

 

ここから学ぶことは、物事を進めるにあたりどのように取り組むのかは、自分の意識次第である、ということです。

 

やりたくないと思えば力を発揮できないでしょうし、やりたいという思いが強くなればなるほど自分の力を発揮できるし、やりがいを持って対応できます。

 

なので、物事の取組みを行うときに、自分として、それをどのように捉えるのかを考えること。当初は瞬間だけ煩わしいと思ったことも、途中から実は意味があることと気付き、自分にも有益な楽しい仕事に変えられたのは良かったです。

 

仕事を行うとき、その内容を

  • 知っただけで行う、
  • 理解して行う、
  • 自分の仕事であると受容して取り組む

というステージがあるとすれば、「どのような仕事でも受容して行うことで、やりたいことに転換できる」との仮説です。

 

ここで受容は「承知して容認する」という意味であり、前提として納得(もっともとして認めること)があります。

 

単に事実だけ捉え(知っただけで)作業をこなすだけでは何も残らないという懸念があるのです。 

 

  • なぜこれをしているのだろう、
  • どうしてやらなければならないのだろう、
  • 学ぶべきことは何だろう、

と考え、それらを行うことが自分にとり有用なんだ、自分の仕事だと納得し腑に落ちれば、全力で事に当たれるし、成長できるという帰結です。

 

今回は、迅速に対応できたので家内も喜んでくれ、とても良い評価も得られました。達成感レベルでいえば、高主観・高客観という結果です。

 

ところで、納得することがいかに有益かについて、カールワイクの提唱した「センスメイキング」という考え方があります。

 

ワイクは、「状況が多様に見えるほど、いま何が起きているかについて納得性の高い感覚がつくられることに努力が払われ、結果として納得性が破壊的な状況を解消し、将来に対する期待を復活させ、プロジェクトを継続させる」と指摘。

 

センスメイキングのコンセプトによれば、正確性よりも、納得性の方が組織に学習を促す継続的な指針になると説明します(入山章栄:世界標準の経営理論)。

 

環境の感知→解釈・意味付け→行動・行為のプロセスによりリーダーはセンスメイキングを行い、従業員を納得させて成果を挙げよう、という考え方です。

 

センスメイキングの詳細をここでは取り上げませんが、納得することで人の力を引き出せること示しています。

 

この考え方からは、個人でも何かを行うときに「納得」して取り組むことの大切さが読み取れます。

 

なお、当ブログではリーダー(主体)と従業員(客体)の関係を説明しましたが、センスメイキングは企業の利害関係者すべてを客体として納得してもらう対象としています。

 

ということで、何かに取り組むときに成果を挙げられるかどうかは、

  • 自分の意識次第であること、
  • そこには受容(による納得)が必要、

ということが分りました。

 

今後、自分の仕事に活かすと共に、周りを巻き込んで何かを行うときには、センスメイキングの考え方に沿って行動しようと思い直す機会になりました。