よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

社員は自立して飛翔する

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社員の側からの自立を考えます。

 

我々は、個人の成功は「何をもって成功と言うのか」というテーマに長い間向かい合ってきました。

 

個人の成功は地位でも名誉でも、財産でもなく自己実現であり、まずは主観的な達成感を得ることであると考えています。客観的に評価されることへの欲求は、マズローの尊厳の欲求を引き合いに出すまでもなく重要ですが、主観的満足が伴わなければ真の達成感は得られません。

 

ただ、企業においては社員は組織ミッションや経済的成果への貢献を経て主観的満足を得ると共に客観的評価を得る必要もあります。自らの仕事の質を高め生産性を向上し目的を達成するために行動しなければならないのです。

 

そのためには、

  1. 仕事の仕組みを見直すこと
  2. 個人の技術技能向上を図ること

への取り組みを行います。

 この2つをクリアーするためには、

 

  1. やりたいこと、やらなければならないことを目標化し、
  2. 自分の行動様式を見直し
  3. タイムマネメントを行い
  4. 日々のやり方を変え
  5. ITを使い倒す
  6. 決めた領域でのプロフェッションになるとともに能力を高める

 などをテーマとして行動します。

 

どうしたら質を上げ、単位当たりコストを引き下げ、時間を付加価値業務に振り向けられるのかを考え行動することで、仕事の質は明らかに上がります。

 

企業の視点からも能動的に自己変革を行う社員の存在は有益ですし、求められる人材像であると意識しつつ行動することはとても重要です。仕事において個人でもASCSとPDCA等どのようなフレームワークでもよいので、成果を挙げるための自分なりの管理方法を工夫し、より高い成果を生む活動を行います。

 

なお「やりたいこと」、「やらなければならないこと」の目標化はとても大切です。これがなければ、我々が「サクセスキューブ」で紹介している成功の6要素、すなわち思いを信念に変え、技術技能を高め、人間力を磨き、コミュニケーションをとりつつ行動し成果を得ながら達成感を得ることができないからです。 

 

私の周りやクライアントの中にも「本当にやりたいこと、やらなければならない」ことが見つからない方々が意外と多くいます。自分の心に深く問いかける時間も必要かもしれません。

 

本当にやりたいこと、やらなければならないことの見つけ方については別稿で書いているので参考にしてください。

 

何れにせよ、自立しなければならない仕事においては自分のやりたいことにフォーカスし特定の分野で高いパフォーマンスを発揮する必要があります。そして、やりたいことや、やらなければならないことに取り組むときには、ここでいう思い、信念、技術力、人間力、コミュニケーション力、達成感の6要素を片時も忘れてはなりません。

 

さらに、優れた社会人として自立し、思い通りに生きるためには、併せて我々が提言するCANの考え方も大事です。

  1. 正しい仕事の姿勢(Correct attitude)
  2. 適切な行い(Appropriate action)
  3. 必要とされる人(a person Needed)

がそれらです。自立し相手から好かれる仕事をするためには、3つのファクターを身に付ける必要があります。これらの3要素を我々はCAN(できる)と名付けています。

 

ここで「正しい仕事の姿勢」は、約束を守る、人の話を聞く、要点を整理できる、仕事が正確で迅速、前向きであることを言います。また「適切な行い」は、礼儀正しい、笑顔がいい、身だしなみ・清潔である、身振り手振りがあるという態度と、誠意がある、正直である、信念がある、といった生き方により構成されます。そして「必要とされる人」は、仕事に精通している、仕事以外の知識を持つ、先見性をもつ、創造性をもつことを言っています。

 

なお、「必要とされる人」になることは、とても重要です。それこそが比較優位(Purple Cow)であり、自立の基礎であるからです。

 

まずは仕事でやりたいことのなかから

  1. 得意分野をつくること、
  2. 自分の仕事の領域以外の知識をもつこと
  3. そのうえで先を読める力をつけること

が大切です。これからの世の中はどう変化するのか、経済はどうなるのか、自分の仕事はどう変わるのかを考えます。先を読めない、将来ビジョンを示さない人と仕事をしたいとは誰も思いません。    

 

先を見ることができる人は、それに備えた何かを創りだすことができます。CANを意識し、足元を固めたうえで常に先をみて仕事ができるからこそ、人から一目置かれ仕事ができる人だと認められます。

 

仕事への姿勢や態度、そして人間性をも備えたうえで自信を付けて必要とされる人になり、一緒に仕事をしたいと思われて自立できるのです。

 

すべての社員は、やりたいこと、やらなければならないことを行い思い通りに生きるためにCANを片時も忘れてはなりません。

 

日々の業務を高い生産性を以て行える発想や情報収集力、能力を身に着け、主観的そして客観的な達成感を得続ける活動のなかでこそ「自立」が現実のものとなると認識し、覚悟をもって行動していく必要があります。