よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

仕事する人の3つのタイプ

 

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    何かを行うためには、

  • 行なうべき到達点(Attainment)を明確にする
  • そのことに対する現状(State)を分析する
  • 到達点と現状のギャップを確認(Confirmation)する
  • そのギャップを埋めるためには何をすればよいのか解決策(Solution)を考える
  • 解決策の実行を計画に乗せる
  • PDCAサイクルを回す

といった(我々の開発したフレームワーク)ASCS(アスクス)とPDCAへの手順が必要です。計画立案は5W2Hで行うことが必須ですが、とりわけWhyが重要です。

 

PDCAサイクルを回すときのPの実行の役割を担う、担当者一人ひとりが、自分がなぜそれをしなければならないのかについて腑に落ちていないと、マネジメントサイドが思うような成果を得られないからです。

 

何かの行動をするとき、人は知る、理解する、受容するの段階のどこかで行動します。3つのタイプがあるんですね。取分け組織において活動の一部を担う者が、この3つのどのタイプで自分が行動するのかに留意しなければなりません。

 

〇〇を行うことを知るだけで何かをする人、〇〇を行うことの目的を理解してから何かを行うこと、〇〇を行うことの意味を自分の仕事として受容れて何かをする人の成果は明確に異なります。

 

有名なのはレンガ職人の話ですよね。

 

旅人が道でレンガを積んでいる人に、「ここでいったい何をしているのですか?」と問いかけたときに、「レンガ積みに決まっているだろ、こんなことをさせられてついていないよ」と嘆く職人、「大きな壁を作っているんだよ。これで喰えているんだ」と満足そうに言う職人、そして「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだよ。たくさんの人がここで幸せになれるんだ、素晴らしいだろう」と自分の使命を語る職人がいた、という話です。

 

明らかに、知る、理解する、受容するの違いが出ているエピソードですよね。実際、この話は極端な話だと思いますが、私自身振り返ると、一番目の職人と同じような気持ちで仕事をしていたときがあり、実感をもって納得できることもあります。

 

何かをするとき、なぜこれをするのか、自分にとりどのような意味があるのか、この行動を通じてどのような成果を得るのかを納得し、仕事=自分の喜びである、という状況を創り出すことがマネジメントの役割であることが分ります。

 

随分昔に地方スーパーの社長に、「新任の店長が50位の店を8位にした。それは、店の地域における使命を伝えたこと。個々のパートの方々を教育し役割を付与して、彼女達が行動し易い環境を整備し一人ひとりを支援したことの結果だ」、と話を聞いたことを思い出します。

 

成果を挙げるための行動において、それはなぜ行うのか(どのような意味があるのか)、どのように行うのか、何を行うのか(自分にはどのような役割があるのか)、を明確にすることが必要なんですね。

 

こうしてみると、サイモン・シネックの「Whyから始めよ」(ゴールデンサークル)すなわち、Why(なぜそれをするのか)、How(どうやってそれをするのか)、What(何をするのか)という考えかたが当てはまります。

 

組織目標を達成するために、自分にはどのような役割があり、どのような貢献ができるのかを受容れることができるので、良い仕事をしようという意欲が湧き、その仕事が自分の喜びになることが分ります。

 

喜びがあれば、仕事に積極的に関与でき、成果を挙げられるという帰結です。

 

今朝のブレックファーストミーティングであれこれ議論したなか、今進めているプロジェクトでの自分の役割を考えました。

 

そのときふとプロジェクトの使命を思い、知る、理解する、受容する、というフレーズやゴールデンサークルが思い浮かび、何のために仕事をしているのか再確認したので記事にしました。

 

自分を乗越えて、次に進みたいと思います。