急性期病院というわけではないですが、やはり、介護事業も高付加価値化されるべきだというのが私達の考え方です。レーバースケジューリングプログラム(LSP)によって、スタッフの行動が合理的に管理されたり、また、マニュアルにより標準化される、さらにそれらの結果、作業の時間を短縮化し、個別介護について付加価値をあげていくことがポイントです。
医療の場合には、看護過程において観察、診断、計画、(実施)記録といったうろセスがありますが、介護にはこのようなかたちがありません。とりわけ治療ではないため、どうしても話し相手といったことでの対応となりがちです。そうではなく、介護を受ける方のバックグラウンドや人生そのものにアプローチした琴線に触れる個別介護が行なわれる必要があるのです。ヘルパーさんは、相手の心の機微がわかる方であることが求められます。表情から話したいことを推測し、話の端々から彼らの思いを感じることができる、感受性の深さが必要となります。
表情や態度に勘定がどのように表れるのかを認識したうえで、会話に入る。本人の課題や目標を理解する。あるいは課題や目標を設定する。それらを達成するために何をすればよいのかを支援する。同一の目的があってこそコミュニケーションがとれることを知らなければなりません。
なお、趣味についても、それぞれレベル測定、知識の習得、会話ができるレベルまでのレベルアップ、といった対応を行なうことによって、その時点での会話を心の段階まで高めていくことができると考えます。信頼され、安心して会話を楽しむことができる高度に訓練されたヘルパーさんをつくりあげるためのシステムと教育が用意されることになります。
施設内であれば、1ヶ月の課題、一週間の課題、そして一日のLSPの設計を行い、たとえばGPSでどこにいるのかが直ちに認識され、常に交信をしながら質を高めながら作業の効率をあげる、そんなITシステムの導入も検討される必要があります。
なお、修善寺の施設から出たOという施設は、これに近いマネジメントを施設で実施していました。
これからは本当の心のある介護ができる業者だけが勝ち残る時代がくると考えています。