よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

破壊された街の患者を守る医療人

 映像を通して地震の経過を見ていると、まるで日本ではないような気がするほど現実離れしている思いがあります。

 しかし、明らかにこれは事実であり、日本で起こっているのだと思うと震撼とするものがあります。私たちは、せいぜい東京にいて電車に乗れず、駅と駅の間をあるく、あるいは数時間かけて自宅に帰るといった程度のことで地震を実感していますが、何もできずに申し訳ない。

 さて、さきほど完全に破壊された街の建屋から、医師や看護師さんと思える人々がヘリコプターに患者さんを搬送している映像が放映されていましたが、それは病院でした。

 周りがどう破壊されようと病院だけは厳然と治療を続けており、重篤な患者さんを搬送してもらうとしても、最後まで彼らが多くの患者さんを守っていたわけで、その整形外科病院の凄さと最後まで、何があっても医療を続ける彼らにとても感動を覚えました。

 「医療は医療人の慈悲心のうえになりたっている」ということを今更ながらに心で反芻しました。
人のために自らを犠牲にするということの凄さを医療人のなかに見た思いです。

 昨日は、私は地震が発生したとき、広島の病院で院長を中心とした幹部とミーティングをしていましたが、地震の一報が伝わると、私たちもいかなければという雰囲気になったのを記憶しています。

 医療環境も厳しくなり、病院という形態での医療が困難となる法人がでてくるとしても、彼らの医療人としてのプライドや慈悲心に裏付けられた医療そのものは、普遍であり、不滅です。彼らが力を発揮できる組織や環境整備こそが院長、看護部長、事務長といった病院トップマネジメントの役割です。
 
 自院の職員があらゆる選択肢をもつことができるよう、常に彼らを守り育てて行く、たくさんの優れたリーダが出現することを願っています。そして、私たちの心の支えになってくれる医療人の出現をまっています。