よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

教育について(1)

少しだけ、当社の教育システムのなかから資料をピックアップして、ご紹介します。

組織における人の動き方は、知識や技術技能だけではなく、意欲や姿勢、態度によって決定されるものではあります。したがって意欲の醸成、姿勢や態度の矯正あるいは、意識改革による仕事に取り組む態度等については、別途これを行う必要があります。

基本的に、これら「情意」に対する教育は、ある意味常識に由来するものと、職業から生まれる倫理、さらには仕事一般に対する姿勢や態度といったものを喚起するかたちで行われることが適当です。
①社会人としての常識
②医療従事者としての使命感
③仕事の役割分担の達成義務感
④権限の付与による責任から生まれる意識
⑤学際的な組織論やリーダーシップから求められる意識
などなどさまざまなかたちがあります。

少なくとも入職何年目、職位に関連づけた職務基準が作成されていますので、それら入職年数や職位に関連づけた役割分担や責任の所在を明確にしたうえで、それぞれどのような意識で仕事に望まなければならないのかについて教育を行うとともに、さらに意識をもつための意欲をどのように醸成するのか、意欲の発露としての姿勢や態度をどのようにもってもらうのかについて具体的な方法を確立する必要があります。

一般的に看護部においては、歴史的にラダーといったかたちで、技術技能だけではなく、このような情意のなかの意欲や姿勢や態度や態度にまで切り込んだ教育制度をもっていますが、どちらかというと感覚的なもので、明確な尺度をもっているとはいいがたい部分も残しています。

何れにしても、
①具体的な技術技能
②それらを発揮するための意識や意欲、姿勢や態度
を個人教育の対象とするための方法を確立する必要があり、とりわけ後者についてもなんらかの対応をしなければなりません。