よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

療養型病院からはじまる業務改革

 今日の看護部通信(日総研)には、療養病棟整理・縮小への筋道が明らかにということで、療養型病院のさまざまな制度改正についての記事が書かれていました。
 ①介護保険移行準備病棟(仮)
 ②医療療養病棟の一部の病室についての介護保険からの給付を受ける
 ③介護療養病棟の一部について医療保険から給付を受ける
 ④特殊疾患療養病棟入院料のかさ上げ
といったことです。
 ⑤病棟転換支援策
も考慮されています。
 なお、介護施設への転換を支援する助成事業では、
 ・長期入院の一般病床
 ・精神病床
も対象とする、ということであり、これからは医療費削減のためにしゃにむにあらゆる仕組みづくりが行われる状況になってきたという感じがします。
 療養病棟の再編により4000億円の社会保障給付費の削減を見込むということですが、患者さんは本当に大変な状態になってくるということがいえます。実際に地方銀行からは実際に貸し込んでいる療養型病院のM&A案件がやまのようにでてきており、一般病床とのケアミックス病院においても療養型病床は損益が真っ赤になる状態であることが私たちにも伝えられています。

 急性期⇒亜急性期⇒療養型病床⇒介護施設⇒在宅といったながれは今後も益々進展していくでしょう。但し、質が低ければ淘汰される時代ですから、それぞれのステップにある病院や施設は業務改革を進め、徹底的な質の向上を図ることを目標のひとつとすることが必要でしょう。
 まちがいなく病院受難の時代です。質を向上させる⇒患者さんに来ていただくというこのながれを確実にすべての病院で、病院なりに考えていく必要があるようです。