よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

地域連携についてのおさらい(1)

1.はじめに
   地域連携においては、以下の事項を実施することが必要です。
   ①院内実施事項
   ②院外実施事項
   以下説明します。

2.内容
 (1)院内実施事項
   院内実施事項は次に区分されます。
   ①紹介患者の取り扱い
   ②指定がない場合の担当医師の決定方法
   ③紹介状の管理
   ④返書の作成及び管理
   ⑤情報提供書の作成及び管理
   ⑥紹介・逆照会指標の管理
   ⑦特定療養費の設定シミュレーション及び管理
   ⑧逆照会シミュレーション及び管理
   ⑨診療所及び病院データベース作成及び管理
   ⑩HP等プロモーション管理
   ⑪連携関連資料作成及び管理(連携プレート及びシール配付管理)
   ⑫院内科別戦略決定(疾病管理をも含む)
   ⑬戦略徹底のための方法検討(人間ドック・健診有効活用、機器開放、病床開放、登録医〔擬似〕    設定等を含む)
   ⑭連携先評価データ管理
   ⑮巡回データ管理
   ⑯救急救命士教育プログラムの組成及び運用
   ⑰医局への連携意識醸成
   ⑱カンファレンス実行企画立案及び説明
   ⑲指標管理
   ⑳その他

 (2)院外実施事項
   ①実行委員会組成
   ②年間スケジュール決定
   ③連携先巡回
   ④消防署巡回
   ⑤懇談会
   ⑥カンファレンス企画及び実施
   ⑦連携プレート又はシール配付
   ⑧イベント及びセミナー及び講演会開催(患者及び医師対象)
   ⑨管理栄養士派遣
   ⑩PT派遣
   ⑪コンサルティング実施
   ⑫その他プロモーション実施
   ⑬ボランティアの利用
   ⑭疾病管理に関わる活動
   ⑮地域治験による活動
   ⑯その他

3.説明
   上記すべてが、秩序正しく実行されることが必要です。何れにしても実行委員会を組成することが  第一に考慮されるべきで、それらが上記を個々に管理し、具体的な活動に結びつけていく作業を行い  ます。

   大まかには次の手順でながれをつくります。
 (1)院内体制の確認
   現状できていないこと、不都合なことはないかどうかについての分析及び課題の発見。課題解決。

 (2)院外体制の整備
   上記について次の手順によって実施します。
  Ⅰプロモーションによる増患
   ①プロモーション企画
   ②スケジュール決定
   ③実行

  Ⅱ逆紹介による増患
   ①どのような患者を確保するのかの戦略決定
   ②逆紹介患者のシミュレーション
   ③マーケティング
   ④ターゲット決定
   ⑤スケジュール決定
   ⑥営業活動
   ⑦付加価値提供(セミナー開催、コンサルティング、資格者派遣等)

  Ⅲ救急車搬送患者増加
   ①マーケティング
   ②課題発見
   ③救急救命士へのアプローチ(勉強会、訓練の実施他)
   ④救急体制整備
   ⑤救急車対応に関わるデータ分析
   ⑥スケジュール決定
   ⑦営業活動
   
4.留意点
 (1)指標設定
   具体的な紹介率の目標を設定することが必要です。
   紹介率は、紹介状枚数、救急車搬送患者数、新患数の要素の組み合わせのなかでの目標設定が必要  です。それぞれのシミュレーションを経て、具体的な当初の目標設定を行うことによって、目標に対  する合目的な活動ができることになります。具体的な目標を科毎にもっているのかどうかがポイント  となります。
   ①各項目先行指標目標設定
   ②行動計画立案(上記Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)
   ③行動先行指標設定
   ④実行
  が必要となります(続く)。

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