よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リスクマネジメントの体系的変革(6)医師のリスクマネジメントⅡ

ある有名な病院では、盲腸手術が終了したのち、お腹がいたいといった患者さんの再開腹をしたら、腸に穿孔があった。その原因は盲腸手術時か、腸が弱くなって自然に穿孔したか…といった医師のレポートがばんばんでていました。

とても前向きでプライドのある病院です。

こうしたレポートがあることで、勿論患者側は事故であるから再手術の医療費は、支払わないといったことでの争いになっていますが、そのなかから原因を個人の技術にしても、どこに問題があったのかについての特定を行い、そして次に事故がおこならないようにするにはどうしたらということを医師もスタッフも考えるということが進んでいくと思います。

やはりインシデント、アクシデントレポートを医師が書く必要があります。
別のレベルの高い病院でも、事務長のところに副院長が、インシデントレポート頂戴、うち(医局)
出しますから…、といっていらっしゃいました。その先生は技術は抜群に高い、地域で評判の先生です。

こんな先生がいらっしゃることが救いです。
多くの医師はリスクマネジメントについて厳格厳密に考えていらっしゃるのですから…。

ただし、ある病院の脳外の先生が、2人の体制では手術ができてもフォローができないので、手術はできるだけしません、とおっしゃっている先生もいらっしゃいます。

米国での勤務が長く、やはり昨今の医療において責任をとれない、と考えていらっしゃるのではないかとも思います。これも残念で、悲しいことではあります。なんとかうまい事故予防のかたちができるよう行動しなければならないと考えています。