よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

按摩治療の病院と北京大学附属病院の見学(1)

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 今日は、中国でも連休で、病院は実は皆休み(の筈)でしたが、トラベルパートナーズ北京の郭(かく)さんお願いしてさまざまなアテンドをしてもらいました。
 
 北京按摩医院(医院というのは病院のことでもある)は、50年の歴史をもつ病院で、もともと朝鮮戦争のとき目を患った軍人の仕事をつくるためにつくられた病院だそうです。現在は日本のODAからの支援もあり、北京ではもっとも大きい按摩専門の病院です。西洋医学を導入しながらも、漢方でいう「つぼ」や「経路」を大事にしながら、機能を医学的に高める治療を行う病院です。172人の術師がいます(なかには医師の資格を持った人も複数存在。なお、ヘリカルCTもありましたぜ。でもってアロマの治療や言語聴覚士による治療もある=日本に留学生を出し、資格をとり中国に帰国)。
 一般の企業に民間企業が増えて、従来国立企業であれば、遅れたり休んだりすることはできたが、いまはできない。したがって早朝から治療し、元気で会社に行ってもらうため、治療院は朝7時から診療活動をしているとのことでした。

 外来ベッド 80床、病棟ベッド 50床であり、中国按摩の5人の大家(たいか)のうち3人がこの病院にいると説明されました。小児の脳性マヒを回復させる按摩(受身的治療、別に積極的治療であるリハビリテーションとは区別)や、減肥、糖尿についても按摩による研究を行っています。

 これについては、また仔細に(なにしろ、明日の朝は早いのでもう寝ないとやばい)、お伝えします。
 写真は院長秘書の張さんです。

 また、次に訪問した人民医院は北京大学3つの病院のうちの一つであり、びっくりするような急性期病院でした。
1500床の病院でしたが、
(1)外来患者数 4~5000人
(2)利用率98%
(3)平均在院日数9日
(4)救急車搬送患者数 年間3万人~(1日の救急外来500名の内、100名が救急車で来院)
ということでした。
(5)職員3200人、医師900人、看護師1500人
です。心臓内科 副教授の張先生にインタビューをしているときに聞き忘れました(ちなみに心カテの検査は年間2000件程度(エ!)ということでした)。
 
 スタッフは教育のためのテストが毎日ある、監査がある、審査があるということで大変忙しいということでした。

 クリティカルパスは使っていないそうですが、診療計画がシステマチカルにつくられるシステムになっている。入院のための検査はすべて外来で、といった話をお聞きできました(外来は予約制ですが、新患は朝の5時から外来に患者さんが並ぶそうです)(え~すごいですね)。
 
 しかし、いくらなんだって医師や看護師の数は半端ではないですよね。びっくり。は?っていう感じです。これでも少なくて大変だという話をしていただきました。医師が多すぎて就職できない、看護師のアンマッチがあるので、マーケットに看護師がでてこない、などこれまた驚く内容の説明を受けました。

 郭さんの兄弟は3人とも医師で、そのうち2人は耳鼻科の教授、北京でも超指折りの心臓血管外科の先生(北京大学人民医院の教授)ということでしたので、郭教授の元で研鑽した張先生には無理を申し上げてお休みで自宅にいたにもかかわらず、病院にでてきていただき説明をしていただきました。

 ここでは、通常は体験できないこと経験をさせていただきました。
 外来、病棟、ICUとダイレクトに見学させてもらったからです。それはそれはすばらしいシステムを発見しました。このブログで説明するかどうかはわかりませんが、中国でも1番目に技術が高い病院のICU運営システムについてはとても興味深いものでした。今後何等かのかたちで中国の医療事情について、明らかにしていきたいと考えています。
 写真は郭さんと張(PingZhang,MD)副教授(女性)です。

 今後中国の病院との提携がはじまります(続く)。 

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」