よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPCだけではありません

 本日日本DPC協議会の理事会がありました。NPOの認可がおり、本年9月から晴れて、日本DPC協議会として活動しています。今日は理事会で、ご担当の方から申請のご苦労話や,複数の各理事の医師から過去の活動の総括がありました。
 札幌、名古屋、福岡、大阪、そして午後からの東京でのDPCセミナーが開催され、過去のものはすべて成功裏に終了したことが報告されました(東京のセミナーは本日午後開催ですから開催されていません)。

 9月の段階では協議会で①DRGは反対することや③二階建て方式(高度急性期と地域一般病床の包括化の二階建てでの適用)③調整係数の代替として医療機関係数についての試案といったことなどが厚労省に政策提言されました。

 今日の総会では厚労省の方が講演会を行い、今後の医療制度改革についてお話をされました…といっても自分は今日は所要があってDPCセミナーは欠席していましました。第二部は川渕先生でしたので、さらにとても残念です。申し訳ありません。

 ということで、DPCの行方も不確実なことが多くあります。というか医療介護そのものがどの方向に進んでいくのか不透明ななかで、とても明確なのは自院が頑張らなければ誰も助けてくれないということです。消費税もどうしてもあがります。であれば、間違いなく利益を圧迫、消費税があがる率によっては破たんする病院も増えてくるでしょう。

 急性期はDPCについて、そしてDPCに対処するためDPCと同時に増患(これはどの病院であっても最優先される戦略です)と業務改革について徹底的な学習をすることが必要です。一般病床の病院で高度急性期を狙わなければDPCは対象とならない可能性があります。

 しかしそうであっても、業務改革を進めていく必要はあります。地域一般病床であったとしても、簡易DPCが導入(二階建て)される可能性があるからです。そもそも維持期(療養型)であっても包括が進んでいるため、業務改革をすることで利益をコントロールすることが求められています。

 増患と業務改革が、例えば急性期病院であれば、すべからくすべての病院で必要な戦略です。
 シンプルな活動として、
 ①新標榜、センター化、ブランド化により新患外来を増やす
 ②再診患者は逆紹介し、地域連携強化と外来業務の平準化
 ③入院比率を向上させる
 ④紹介入院を増加させる(②の結果として)
 ⑤手術する患者を増加させる
 ⑥高い技術料ゾーンでの手術を行う
 ⑦診療科別損益計算や患者別疾病別原価計算により事実を把握、現場にフィードバック
 ⑧業務改革により生産性向上(医療の質の向上の結果として)
 ⑨在院日数を短縮
 ⑩①と④
といったことがあげられます。