医療業界はとても厳しい冬を迎えています。全国で受療率がさがるなか、そして医師が開業してしまうなか、また首都圏に偏在してしまうなか、病院はどのように医療を継続していけるのか。いつも自問自答します。医療にはさまざまな課題があり、病院だけで解決できないことが多すぎます。
しかし、ある病院で地域医療を継続していくためには何をすればよいのか、またある地域ではどうか、といったことを常に考えます。毎日病院におじゃまし、また医療関係者と会い、あるときには堂々巡りの議論をし、世を嘆き、儚み、しかし結局国も社会も誰も助けてくれないことを知れば、自らが懸命に医療の原点回帰に向けた活動をしなければならないことが理解できるのです。
いま、やるべきことは、職員一人ひとりの琴線に触れるリーダーの生き様をみせつけることでしかありません。病院トップが病院を建設したときの気持を思い起こし、地域医療に尽くすために病院は残らなければならない、そのためには職員とともに、何をしていけばよいのか。彼らの人生と家族を背負う組織として、地域の患者、そして家族を守る存在として、いまこそ厳しい冬を越えるための備えをしなければなりません。
ふと見かけた小さな木々の冬準備。その人のようなすがたから職員一人ひとりのことを想い出していました。