よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

電車でトーク

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最近の山手線ではなくなりましたが、以前は窓の開かない電車に乗っていると、皆さんお勤めご苦労さまです。換気のため窓あけにご協力ください、とアナウンスがあったものです。窓が開かないタイプの電車にちょうど変わるころのことで、両タイプが走っている状態でのエピソードです。

 先日は、JR構内にあるパン屋さんで、病院のミーティングでスタッフと一緒に食べるパンを10個ほど購入したときに、こちらでお召し上がりですかと聞かれましたが、これもよく昔のマクドナルドでハンバーガーをたくさん購入したときに聞かれたフレーズです。昔と異なり、マックでも形通りのトークではなくなりましたが、ものごと状況を把握し、的確な対応をするのはとても難しいことであるのかもしれません。

 弊社では、病院マニュアルを作成し、運用の指導をすることが良くあります。ナレッジマネジメントの基本はマニュアルであり、組織のノウハウを個人に提供するといった昔のマニュアルから、個人のノウハウを組織知化する、目に見えないノウハウを形式知化することで現場で知識を連鎖的に拡大していこうというマニュアルに変わってきているということができそうです。

 形式ではなく実質。なぜ、この行為をしなければならないのか、このトークをしなければならないのか、本質的な理解をしている者は、窓の開かない電車で前述したトークはしないし、連れいなそうなパンをたくさん抱えたお客様に、こちらでお召し上がりですかとは言わないと思います。

 勿論、感性に何かが触れたときには、確認の意味でマニュアルにはない言葉で会話をすることが必要であり、まったく話をしなかったり質問をしない、ということを説明しているわけではありません。常に判断すべき要素を認識し、考え、その場面で反応することができる力を身につけていきたいと、私はいつも思っています。