赤い壁
<中国後漢末期、黄巾の乱(184年)が起きた後、皇帝の統制力は非常に弱まり、それに代わって台頭したのが曹操であった。
曹操は献帝を自らの本拠である許昌に迎え入れ、李傕・呂布・張繍などの勢力を滅ぼし、200年には官渡の戦いで袁紹を打ち破って、中国北部を手中に収め、後漢の丞相となる。
208年、曹操は劉備・孫権を攻めるが、赤壁の戦いで大敗を喫した。その後、劉備が益州を制圧し、曹操・劉備・孫権の三者鼎立の様相を呈した><ウィキペディア>三国志は、その時代を書いた物語です。
とりわけ赤壁<レッドクリフ>の戦いが今回の映画のテーマになっています。曹操は自らがゆくゆく皇帝として中国を平定する野望をもち、敗走する劉備を負って中国を南下していきます。水軍を途中で確保しながら、80万人の軍隊を使いレッドクリフにまでやってきます。
諸葛孔明が参謀をつとめる劉備(りゅうび)の軍隊は、孫権の軍隊と同盟を結び5万人の軍隊にてこれを向かい打ちます。
で、映画の途中になると、曹操は実は孫権の司令官である周瑜(しゅうゆ)の奥方で絶世の美女である小喬(しょうきょう)を略奪するために戦いを起こしたことがわかってきます。
<実際、小喬は背が高くスタイルがよく美人で、そして映画とはいえ生唾を飲み込む色っぽさがあります>。女に動かされる80万人の軍隊がどのように戦うのか、そしてそれを受けて立つ周瑜はどう小喬を守るのか…。それでパート1が終わります。
振り返ってみると、レッドクリフの映像は最近の中国映画にありがちな、特撮を駆使した巨大な施設や大量の人で圧倒する手法でつくられているのです。
どちらかというと米国映画はこれでもかこれでもかとカーチェイスや爆発、破壊が多く、息つく暇がないという雰囲気ですが、中国映画は戦いの場にしても、女性との絡みであっても、とても、ねちこい面が多くつくられています。
<戦いでは執拗に人が殺されるところを映し出していますし、はっきりと写さないけれども燃える情念を想像させる映像をつくっているのです>。
ストーリーはなんだかとても単純で、AがBを攻める。Bは工夫してAの攻撃を阻止する。というパターンと、AはCのために何かをするが、CはBとつながっているといった系列の話であり、とくにみるところはありません。
ひとひねりのあるストーリで構成されるウォンテッドやイーグルアイを観たあとでは、どうしても見劣りする思いがあります。ただ、とても真面目に映画をつくっていて、全体にながれる友情や愛情、葛藤や思いやりといったものは伝わってきて、ちょっと救われました。
人はいつも冷静で工夫や創造性をもち、正直にそして人間らしく生きていけば、どのような逆境にも勝てていけるんだ、といったしごくあたり前のことを、分かりやすく伝えている教育映画のような感じがあります。
その意味では映画館に足を運び、原点に返ってみることも意味があると思います。
「DTBメルマガ<ピカピカ病院>同時掲載記事」
曹操は献帝を自らの本拠である許昌に迎え入れ、李傕・呂布・張繍などの勢力を滅ぼし、200年には官渡の戦いで袁紹を打ち破って、中国北部を手中に収め、後漢の丞相となる。
208年、曹操は劉備・孫権を攻めるが、赤壁の戦いで大敗を喫した。その後、劉備が益州を制圧し、曹操・劉備・孫権の三者鼎立の様相を呈した><ウィキペディア>三国志は、その時代を書いた物語です。
とりわけ赤壁<レッドクリフ>の戦いが今回の映画のテーマになっています。曹操は自らがゆくゆく皇帝として中国を平定する野望をもち、敗走する劉備を負って中国を南下していきます。水軍を途中で確保しながら、80万人の軍隊を使いレッドクリフにまでやってきます。
諸葛孔明が参謀をつとめる劉備(りゅうび)の軍隊は、孫権の軍隊と同盟を結び5万人の軍隊にてこれを向かい打ちます。
で、映画の途中になると、曹操は実は孫権の司令官である周瑜(しゅうゆ)の奥方で絶世の美女である小喬(しょうきょう)を略奪するために戦いを起こしたことがわかってきます。
<実際、小喬は背が高くスタイルがよく美人で、そして映画とはいえ生唾を飲み込む色っぽさがあります>。女に動かされる80万人の軍隊がどのように戦うのか、そしてそれを受けて立つ周瑜はどう小喬を守るのか…。それでパート1が終わります。
振り返ってみると、レッドクリフの映像は最近の中国映画にありがちな、特撮を駆使した巨大な施設や大量の人で圧倒する手法でつくられているのです。
どちらかというと米国映画はこれでもかこれでもかとカーチェイスや爆発、破壊が多く、息つく暇がないという雰囲気ですが、中国映画は戦いの場にしても、女性との絡みであっても、とても、ねちこい面が多くつくられています。
<戦いでは執拗に人が殺されるところを映し出していますし、はっきりと写さないけれども燃える情念を想像させる映像をつくっているのです>。
ストーリーはなんだかとても単純で、AがBを攻める。Bは工夫してAの攻撃を阻止する。というパターンと、AはCのために何かをするが、CはBとつながっているといった系列の話であり、とくにみるところはありません。
ひとひねりのあるストーリで構成されるウォンテッドやイーグルアイを観たあとでは、どうしても見劣りする思いがあります。ただ、とても真面目に映画をつくっていて、全体にながれる友情や愛情、葛藤や思いやりといったものは伝わってきて、ちょっと救われました。
人はいつも冷静で工夫や創造性をもち、正直にそして人間らしく生きていけば、どのような逆境にも勝てていけるんだ、といったしごくあたり前のことを、分かりやすく伝えている教育映画のような感じがあります。
その意味では映画館に足を運び、原点に返ってみることも意味があると思います。
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