よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療の未来をつくるDPC

イメージ 1

 昨日17日は、東京信濃町で「調整係数廃止・自院の係数が高いのか・低いのか」と題してNPO法人の日本DPC協議会セミナーin東京が開催されました。
 
 社会医療法人カレスサッポロの西村昭男理事長の開会挨拶ののち、厚労省保健局医療課長の佐藤敏信氏のご挨拶がありました。ここでは、DPCの置かれている現状について、日本の経済状況が悪化したことはこれからの医療費への予算にも影響するというお話からはじまり、それでも医療へは大盤振る舞いの予算を編成を行っている。これが選挙に関係がある一時的なものかどうかを見極めたいとつづけられました。

 DPCについては、まださまざまな議論があり、どのようになるのかは明言できない、ということで公務のためお帰りになりました。続いて私がいつもお世話になっている国際医療福祉大の高橋泰先生が、当たるかどうかはわからないがと説明されながら、DPC調整係数が廃止されたあとの、機能係数はこうである、といういくつかの予想をされました。

 これはとてもすばらしいレクチャーで、今後、私たちのドクタートレジャーボックスで、掲示し、徹底的な分析をしていきたいと考えています。

 のちに活動報告が縁の下の力持ちである同大の山本康弘准教授と外山比南子教授からありました。

 さらに新日鉄室蘭総合病院の松木高雪院長から「病院長とDPC」という題でDPCにおける病院長の役割や工夫を、「医療の質管理とDPC]として赤穂中央病院院長の長尾俊彦院長から同病院がDPCでどのように院内改革をされているのかについてご説明がありました。松木先生はとても聡明でしっかりしたお考えをお持ちの方で、大好きな先生ですし、長尾先生はお人柄が伝わってくる公演をされました。

 そして岡山医療センターの青山興司院長のお話は、経費節減などするな。職員が楽しければ病院は活性化すると、目から鱗の講演をされました。地域住民を巻き込み、職員を明るくし、新患や手術を増やし、数年間で350億円あった借金を280億円に削減したというお話に対し、聴衆から感嘆ともため息ともつかないどよめきが上がりました。

 続いて行われたシンポジウムでは、研修医や学生を大切にし、人を育てていく必要がある、データーは開示するが、医師への数字をベースとした追及はトップはしない、などこれもリーダーである先生方のマネジメントの仕方が透けて見えて、とても勉強になりました。最後に、私が尊敬する赤穂中央病院理事長の古城資久先生の閉会挨拶でセミナーは終了しました。

 多くの病院がDPCを乗り越え、そして新しい医療を目指しています。医療原点回帰を行うためにも、DPC、そしてきたるべきDRGへのながれのなかで、日本の医療をどうしていくのか、真剣に皆が考えていかなければなりません。

 10:00~16:00までの長丁場でしたが、本当によいセミナーでした(自画自賛…)。
 私は監事として日本DPC協議会の末席においていただいていますが(何もお役に立てていません。しくしく)いつもすばらしい理事の方々から医療に対する真摯な思いや情熱、そして愛情を教えていただいおります。

 宣伝になるようですが、皆さんも是非日本DPC協議会の会員(法人会員も個人会員も募集していま~す=サイトをご覧くださいhttp://www.j-dpc.com/index.html)として、日本DPC協議会の活動にご参加いただければと考えています。国際医療福祉大の乃木坂で、勉強会もありますので、よろしくお願いします。