よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

メディカルホームはベッド削減の救世主

 介護療養病床と医療療養病床の行く末が懸念されています。

 37万床を15万床に22万床を削減または転換ということになっていますが、遅々として進んでいないと昨日の日経新聞に記事がでていました。

 折しも昨日は鹿児島で医療機関の経営の方向性についてという講演会を行っており、タイムリーな話題で、講演会でも使わせていただきました。

 ところで、一般病床も包括化に向けて検討に入っているところから、小さい病院は最終的には20万床程度は減少、DPC病院のベッド数も最終的には20%削減されるとして10万床減(自動的に落ちこぼれていく)、精神病床削減7万床も含めると、全体で50万床程度は削減されるとホワイトボックス社では予想しています。

 となると、米国が医療改革が1980年代に始まりすでに100万床から70万床代に30%近くのベッドが減少していることと、符合するのではないかと思います(日本の総ベッド数が162万床として30%だと50万床弱になります)。

 病院のベッドが減少した分、米国やヨーロッパのようにナーシングホームに代わることになります。
日本ではメディカルホームという名称となると考えます。

 いわゆる高専賃はメディカルホームの一形態です。若年層のあらゆる疾患の患者さんについても急性期病院の在院日数短縮の傾向のなかにおいては、病院から出て、病院の横のメディカルホーム(門前のメディカルホームと呼ばれています)に移動することになるからです。

 介護療養病床や医療療養病床の受け皿もメディカルホーム(地域のメディカルホーム≒高専賃)となり、また急性期病院の在院日数短縮や包括・包括外患者さんをよりよい療養環境でみるということでのメディカルホームが必要となります。DPCの要請からも入院しての投薬や検査が必要である治療が必要なものは皆メディカルホームで在宅での治療となることは明らかです。

 サテライトが在宅療養支援診療所や通常の診療所の往診を行うケースや、病院として往診するケースなど、当該メディカルホームの性格により随分と対応が千差万別になると思いますが、いまある制度をお最大活用して医療法人がメディカルホームを利用することはとても有益(患者さんにとっても)であると考えます。

 MS法人がメディカルホームを運用するとしても、結局は病院本体が最も有効な経営資源の活用ができ、そして患者さんが安楽に治療を受けたり療養できれば、今回の医療制度改革における大きなトレンドも、意味がないことではないことがわかります。


 昨日は、鹿児島から一度東京に戻りました。

 今日はこれから京都での仕事が終わったあと、広島で今日の夜メディカルホーム(&高専賃)のセミナーを行います。今の医療がどのように変わっていくのかを見極め、どのようにそれらに対応するのかの提案をし続けていきたいと考えています。