DPCにおいて課題となる事項を示します。これらをどのように解決していくのか、それが私たちのコンサルティング内容の一つとなっています。これらが起こることにより、DPCをうまく使えず、結果として利益を落とすことになります。
DPC病院は以下について徹底して対処していく必要があります。なお、DPC病院であったとしても、本来の組織運営が正しく実施されていない場合には、成果をあげることができません。現場におけるマネジメントや、部署マネジメント、そして組織マネジメントが正しく実施される必要があります。DPCマネジメントはあくまでも、業態別マネジメントの一つである、というとらえ方をしなければなりません。
・新入院患者数減少による病床稼働率・回転率の低下
・平均在院日数短縮による病床稼働率・回転率の低下
・退院支援不足(後方支援の医療機関・介護施設連携不足等)
・地域連携パスが不足
・DPC病床から他病棟(亜急性期、回復期、療養病床等)への転室のタイミングが不明確、病床管理不足
・急性期治療後の入院日数の超過(入院期間Ⅱ超)による利益減少又は赤字(疾病別)に対しての対策未実施
・入院期間Ⅱ以内での退院等、平均在院日数短縮に伴い、医療サービスの低下、再入院率の増加
・入院期間Ⅰ以内での退院による利益減少又は赤字(疾病別)に対する対策未実施
・1日平均単価の減少
・疾病カバー率の減少
・特定入院期間超の患者比率が高く、患者によっては赤字幅が増大している
・診療パターンのばらつき
・パス外オーダー発生によるコスト増
・パス整備率の低い
・パスの種類はあるが適用率の低下している
・医薬品・医療材料のばらつき
・後発品使用率の伸び悩み
・抗生剤の投与日数、投与量の未調整
・術前平均在院日数の短縮不足
・術前検査の外来化
・術後検査・画像の効率化
・手術無患者の無駄な検査・画像の整備
・院内診療科間の連携不足による入院中他科受診による病院コスト増
・他医療機関との連携不足による入院中他科受診による病院コスト増
・持参薬不足から入院中の他医療機関受診による病院コスト増
・手術件数・手術単価の減少
これら以外にある項目については、次回ご紹介します。
DPCを徹底的に自院のものとするためには、繰り返しになりますが、病院マネジメントシステムを上記領域において整備し続ける必要があります。HRM、医療ツール、管理会計に関するマネジメントシステム構築が必要となります(続く)。