よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

わかりやすいリスクマネジメント(5)患者第一の医療とはⅠ

前回の記事で、次のように書きました。

『⑤意識は、こうしたら事故になる、訴訟になりやすい、間違いが起こるといったことに対処する意識。事故に対する意識をもっている者とそうではないものは大きく結果が異なります。

勿論、一番重要な意識は「患者第一の医療を貫き通すんだ」という意識であると思います』

リスクマネジメントを行なうときに、一番大切なのは、医療従事者として、本当に患者第一の医療を貫き通すんだという意識があるのかどうかということだと思います。

すべての仕事の原点がそうした意識や気持ちであれば、自らの医療の質の向上に向けて、個人の技術技能向上のために研鑽し、自分が携わる仕事について改革を進めていく結果として、一つ一つの仕事に集中し、間違いを起こすことを低減することができると信じます。

スキルの高い医療従事者は事故を起こす確率が低いことはいうまでもありません。

常に振り返り、常に課題を発見し、常に自らを鼓舞しながら成長するために日々懸命な努力をする。
そんなスタッフを沢山もっている病院は、絶対に勝ち残ると考えます。

病院幹部は患者第一の医療という掛け声だけではなく、病院マネジメントをあるべきかたちで行なうなかで設定したヴィジョンを達成するためにリーダーシップを発揮するとともに、仕事環境整備を行い、医師が力を発揮できる体制をスタッフが確立できるよう誘導することが必要です(続く)。

〔ドクタートレジャーボックス同時掲載記事〕