よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

エピソードワン(1)

今、医療用具を扱っている企業の社長とのミーティングが終わりました。

社長が、あるエピソードについて話されていました。知り合いの方が、病院に入院されたそうですが、そこで恐怖におののきながら検査や手術をしたのち、腹膜炎になったそうです。
ちょっとでも、周りが振動するととてもお腹に響く状況であったそうですが、ほどなく主治医が回診に来て、ドスンとベットにお尻を落とし、「どうですか?」と聞かれたそうです。

患者さんは、そのドスンのおかげでお腹が痛く、声がでないほど苦しかったそうです。本当は「先生、そこに腰掛けたおかげで、いまとても苦しいです」といいたかったのですが、結局搾り出すように声を出したそうです。「おかげさまで…、なんとか…」「ありがとうございます…」

主治医は「そう、お大事に」とその場を去ったそうですが、その患者さんは、こんな怖くてつらい思いをして、そしてなぜ腹膜炎になったのかも知らされず、あげくのはてに医師に質問や意見も言えない自分がなさけなかったそうです。

その社長さんは、こうした医療でいいのか、もっと患者さんが自由に医師と話しができる、そして情報が開示され、医師も患者さんの立場で接することができる環境をつくるため、そして少しでも患者さんが楽に入院生活を送れるように、この医療用器具を販売しているとおっしゃっていました。

考えさせられる話ですね。