よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

まじかよ医療費削減連続技(1)

びっくりしました。やっぱり…という感じです。

昨日日経新聞に診療報酬2~5%引き下げ、機械的に計算、といった記事が載っていました。
平成18年の改正では、すでに薬価引き下げにより3000億円、ターミナル時期での入院から在宅への移行で800億円、等々が発表されていますが、診療報酬引き下げでは4000億円の支出を抑制ということでの対応でした。

31兆円の支出はとても大きな金額ではありますが、いまでも患者の受診回数が減っている現状で、今後病院はどうなるのか、とても心配になりました。勿論、1980年代の病院数に戻すという政策は理解できますが、少し早急ですよね。

医療費総額管理、医療保険所管を国から都道府県にシフト、といったことだけで都道府県ごとに医療費と保険収入が比較され、医療費が多ければ病院をつぶしていくことが迅速かつ円滑に行なえる体制になってきます。さらに上記の支出抑制策ということですから、病院はまさに合理的な医療を行なう必要があります。

そもそも請求方法が変わり、平均在院日数が短縮され、ながく病院にいれなくなる状況のなかで、回転をあげ多くの患者さんを診ていくことに問題はありません。しかし、そうした状況に移行するまでの間、的確なマネジメントやスタッフの能力向上への取り組みを懈怠してきた病院が医療の質を原点とした経営にシフトできる環境づくりを行なうよう誘導していかなければなりません。

確かに残った病院は患者が増えることにはなりますが、根本的な改革を行なわないで増患を享受する病院があれば、それは患者さんにとっても不幸なことです。残る病院があまねく医療の質を高めていける時間が必要です。

しかし政権が評価され郵政のあとは医療といわれるなか、反対勢力も力をそがれ、必要なことではあるけれども早急な改革が進むのでしょう。

多くの病院において、原点に返りよい医療を提供しよう、そのためにはよい経営が必要である、医師、職員全員が一丸となって、我々ができるよい医療のため、そして地域住民のため、徹底的な改革を進めていこうではないか、というトップが早く出現することを我々は期待しています。ゆで蛙にならないうちに…。