部門別原価計算については、独立行政法人が一定の枠組みでこれを行なっていることをかわきりに、多くの民間病院がこれを導入しています。
しかし、予算実績管理を部門別に実施することによって、予算と実績に乖離があり、その乖離がなんでそうであるのかの事実を発見しても、結局は原因が特定できない、原因が特定できても対策が立案できない、対策が立案できても行動ができない、といったことにおいて多くの課題が山積しています。
基本的に成果をあげるためには行動することが必要であり、無秩序ではなく、秩序をもった合理的な行動をとれるよう、行動することが必要です。
行動が的確であり、精緻であるためには、指標が必要です。
先行指標の決定が行なわれ、かつそれは行動に結実できるものである必要があります。
紹介率であれば、当然に紹介状枚数と救急車搬送患者数、紹介状別管理、患者疾患名、軽中重度の推移、逆紹介紹介比率といった比率がその一部です。さらに、それを改善するための具体的な活動について、企図されたものがなければなりません。
病院戦略を明確にし、実質的な対応(準備)を行なったうえで、どのような患者さんを必要とするのか、あるいは自院で治療をすることが患者さんにとってもベストであるのかといった事実を診療所に伝える方法や手段が必要です。これらを仔細に用意して行動することで、部門別損益計算や指標管理を本当の意味で利用したマネジメントができることになります。
そこまでを明確にしておくことが必要です。