よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

人気がなかった病院における任期制度

ある病院が任期制という制度を日本ではじめて導入した結果、婦長の改選で任期が終了したあと、再任されなかった婦長さん3名が退職してしまったという話を聞きました。

任期制は、3年間なら3年間の期間の間に、選任された職位に期待される仕事をしていれば、再任又は昇進、しかししていなければ1年間は同じ職位に再任されず、仮に適任者がいなければ1年後以降に再度1年間の成果をみて審査するというものです。

看護部の上の方がなかなか硬直的になり、やはり誰からも上司でよかった、リーダーでよかったといわれる看護師さんを婦長(看護師長)さんにということで理事会で承認され導入されたものです。

下の人にリーダーの機会を与えるといったニーズが理事長からあったようです。資格給制をとっていますので、賃金は下がりません。役職手当が減ることにはなります。

結局、3年間の評価が幹部会で再任、昇進なし、という結果になったようで、その病院は地域では(日本的にも)著名な病院ですので、プライドをもっている看護師さんには少しつらかったのかなって思います。期待する基準や目標、課題を明確にしたうえで、継続適用することが必要であると思います。

看護師さんに限らず、賞与の評価や人事考課はいつもいろいろ悩みます。どの方法がその病院に最も適しているのかをいつも考え微妙にモデルを変更しながら提案しています。
何れにしても、課題がある、現状がある、差がある、処遇をする(しかしこれはプロセス)、教育をする、成長するといったかたちのなかで、すなわち評価制度だけではなく、周辺のシステムを含めた構築を行うことによって職員の方々のご支援ができればと思っています。

みなさんの病院で、こんな制度はいやだ、不合理だ、モラールがさがる、意欲がでない、といったことがあれば教えてください。