よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

コンプライアンス(法令遵守)って決めたことを守ることですよね

昨日は東北で、評価のレクチャーをしたんですが、その前提として病院におけるコンプライアンスについて説明しました。コンプライアンス法令遵守ということですが、結局は決めたことは守ろうよ、っていうことです。

国が決めた、自治体が決めた、業界が決めた、取引先で決めた、院内で決めた、職場で決めたことは守るということが基本的な考え方であると思います。法律であったり、法令であったり、規程であったり、マニュアルであったり、社会法であったり、慣習であったり…、皆が決めたことを原則として守ることが、社会生活を送る、企業活動を行う、病院運営を合理的に行うっていうことですよね。

もっと平易に言うときちっと決めた約束は守ろうっていうことですが、法律に抵触しない、常識的に正しい、悪意がない、信義則にもとらないものであれば、その約束は守るべきであると考えます。あの人は組織はいつも約束を守るし、決まっていることは守るということが相手に伝われば、相手はその人を、組織を信用してくれるし、安心して取引をしてくれるということです。逆の場合には、今社会を賑わしているいろいろな事例が示すように、社会からオミットされてしまいます。

ただ、それを徹底してやることは勇気がいるし、力を必要とするし、コストがかかるし、
職員の大きなエナジーが必要です。真剣に考えると本当にこれ、やるんですかっていうほど厳しいのが個人情報保護法もあります。病院の大半は慌てて対策を立てているようですが、どこまでやればよいのかということを考えるととても難しいです。

でも、どこまで法令遵守をすればよいのかを勝手に判断するから問題が発生するし、病院であれば事故が発生します。やはり、みんなが決めたことには、それを実行することに必ず意味があり、意義があると信じ、優先順位をつけて着実に実行していかなければならないと思います。

各種未実施減算のための委員会活動、機能評価、ISO、個人情報保護法、プライバシー保護に意識をもちながら、さらにパス、マニュアル、リスクマネジメント、地域連携等々の道具づくり、さらにはよい医療をしようという差し迫った日々の医療、看護活動を行われている病院関係者の皆さん。すべての実施事項は日々の業務にリンクすることばかりです。

今取り組んでいる作業は必ず医療の質の向上や結果としての効率向上につながり、患者さん、そして地域住民のためにならない筈はありません。他の病院がやるからとった陳腐な理由ではなく、これを導入する、あるいは実施する本当の意味は何であるのかを十分に議論し常に原点に帰ることで自らを奮い立たせよう。自分の夢のため、そして患者さんに良い医療を提供するために。