亡くなる方は多いのですか、とお聞きすると、「最近特に多いですね。心筋梗塞で搬送されてくる方が多くて…。ところで、先日は当直のときに、検視が2件ありました。自殺と事故です。
検視のとき、死体を確認するときに立ち会ったんです」医事課のスタッフが説明しました。
地域連携室から、「消防署の救急車の当院のシェアが減少した(紹介率が低減した)理由の一つは医師が、搬送途中か自宅で亡くなった患者さんを家族がどうしてもということで病院に搬送してきたら、医師から硬直はじまってるのにつれてくるなよ、って文句を言われたということです」といった報告がありました。
「医療の質を語るときには、再入院率と死亡率、といった指標が管理しなければなりません」とセミナーで講師がいいます。
患者さんを病院という枠でみると、こんな風に日常的な会話で死が語られます。現場では、必死になって患者さんを救うことだけを目的として、ぐちゃぐちゃになりながら頑張っている医師や看護師さん、コメディカルも沢山いらっしゃるにも関わらずです。
もっともっと、常に人の死や人生を考えていなければ、死ぬ意味、生きる意味、生かされている意味をもっと考えなければ病院で仕事をしてはいけないし、現場を知らない、あるいは人の生死についての哲学を持たなければ病院を語ることはできない、と常に自分を戒めています。