組織運営を適切に行うためには、ビジョンから戦略をつくり、事業計画を立案。予算編成を行い、月々の予算統制しながら、決めたことを実行していく仕組みが必要です。
そして、組織に帰属するスタッフが、自らのやりたいことをビジョンや組織目標に擦り合わせ、その実行をコミット(約束)し、「自分のやりたいことを行えば組織目標が達成される」という組み立ての中で日々活動することになります。
そこでは、やりたいことに取り組むことが最適かどうか本人の能力や成果が評価され、本人はやりたいけれども現状においては難しい、という誤謬を無くします。
あなたにはそれはまだ早いので、そこに到達するために、ここから始めましょうというアドバイスを行います。
また、やりたいことがないスタッフには、内面を掘り下げ、本人の強みを活かす道を具体的な動機に昇華させる組織的な支援も行われます。
自分のやりたいことをやれば組織目標の達成の一助になるというつながりは、本人と組織の関係性を強め、組織への帰属意識を高めます。
また、組織の支援が適切に行われるので、自分の目標を達成することができると確信をもてれば、成し遂げたときの達成感をイメージできます。
これをすれば達成感を得られるんだと、未来の達成感に誘導されるように本人の仕事への動機がより一層喚起されることになります。
本人が力を発揮する土俵ができたというフェーズです。
ここで、他のメンバーも同じ状況にあれば相互理解が可能であり、お互いのやりたいことができるよう支援し合うことを通じ協力関係に立つことができます。
自分のやりたいことを通じて他者との連携が生まれるのです。
そして、土俵づくり関係づくりの次に目標達成のための具体的な活動が行われます。目標達成のための解決策を計画化し、日々の行動に移す段階です。
そこにおいては何が重要成功要因なのか、どのような行動が必要なのか、そのためには何を基準として行動すればよいのかが議論され、個々の行動が管理されます。
土俵づくり→関係づくり→日々の解決行動のながれができあがります。
これらのフェーズで重視されるのはリーダーとリーダーシップです。
ドラッガーがいうように、「リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持するものである」又、「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事とみることである」ということは理解できます。
しかし、リーダーシップは才能や性格に左右されるものではなく、仕事であること」といっていることには疑問があります。
仕事であることは事実としても、才能や人間力がなければ、部下はついていきません。
過去の経験から、リーダーとしての魅力がない者をリーダーとしたときの結果が残念なものになることを我々はよく知っています。
うまくいくケースは、組織メンバーが自立して成果を挙げるポテンシャルをもっているので、どんなリーダーでも結果がさほど変わらない、あるいは不適格なリーダーがいてもメンバーだけで最低限の成果を挙げられるという状況にあります。
この場合、最適なリーダーがいれば、間違いなくより高い成果がでていた筈だという確信があります。
リーダーは、合目的的に動きながら、人として丁寧、自分をもちながらも相手の立場に立てる、感情的にならない、他と調和できる、規律や責任感、積極性を忘れない、誰もが認めるスペシャリティをもつ、また、何かを達成した経験がある、という要件を備えていなければならないと考えています。
調整型のリーダー及びそこで機能するリーダーシップは質の高いスタッフが多数存在するときに成立する、という限定条件がついているのです。
百歩譲って、「リーダーの資質は、多様であり、これというものはない。任せて目標達成するタイプや率先して行動するタイプ、敢えて自由にさせるタイプもある。メンバーの資質や才能、正確やチームワーク、環境や緊急性・重要性に合わせてリーダーの在り方は変わる」としても、どのような場面でもメンバーから信頼されていること。言う事を聞いてくれること、少なくとも耳を傾けてくれること。
部下の価値観が多様であっても、与えられた役割を果たせるよう仕向け、全体が同じ方向に動いてくれることが必要です。それがなければ通常は、リーダーという役割を果たせないと考えています。
土俵づくり→関係づくり→日々の解決行動を支える適切なリーダー及びリーダーシップにより、人が力を発揮できる、という帰結です。
上記をより具体的に実務に落とし込む活動を行っていきたいと考えています。