先日、中島みゆきのファイト!を聴いて、ことのほか心を打たれました。
調べてみると1983年にリリース。
この歌で、きっと多くのサラリーマンが闘いに挑み、バブル期への道を突き進む、ほんの小さなきっかけの一つになったのだろうと容易に想像できます。
そこで今回は、ファイト!について考えてみたいと思います。
ファイト!の意義を探るには、いくつかの視点があります。
まず、自分が誰かにファイト!と声をかけることは、相手のことを思い、頑張ってね(ファイト=闘え、ですが日本では頑張ってねというにアンスがあります)と口に出していうのと同じですよね。
ここで大事なのは、そのときの自分には、相手の立場に立ち、相手を心配し、相手を元気づけてあげたいという気持ちがあるということです。
口に出すことで、相手とのコミュニケーションが生まれ、思いが伝わります。
あなたからファイト!と言って励まされた相手は、それを契機に何かをやり遂げるかもしれません。
キリッとした声のトーン、表情を通じて送られたファイト!によって新しい価値が生まれた瞬間です。
ファイトはとても短い一言ではありますが、その言葉が媒介になり、人間関係がつくられ、相手の背中を押し、成果が生まれるのは凄いことだと、つくづく思います。
一方、自分が自分にファイト!とつぶやくときにも、そこには大きな背景がみてとれます。まず、そのときの自分は乗り越えるのは簡単ではない何かをやろうとしています。
そしてファイト!を使って自分を鼓舞し、何かにトライしようとしているのです。
何もやる気がなく、ただ同じ日常を繰り返すことで時間を費やす、気づかない間に弛緩しきっている人からは絶対に生まれない言葉です。
ある工場を視察したときに、「めげず、くじけず、あきらめず、知恵と工夫をおこたらず、目指せ、原価率60%」という標語が張ってありました。
いままで何度試みても成し遂げられなかったことを皆で挑戦し、何とか乗り越え達成していこうよ、という投げかけです。
まさにファイト!は、この標語の意味するところを一言で言い表す言葉かもしれないと、そのとき思いました。
ファイトには
- 相手を思う気持ち
- 相手の立場に立つ意識
- 相手を勇気付けたいという思い
- 人間関係の醸成
- 価値創造への支援
の意味があり、また、
- 何かへ挑戦する気持ち
- 強い達成意欲
- 新しい価値を生み出そうと試みる力
があることが分ります。
ファイトに限らず、前向きな言葉や、それを使う人の姿勢や態度の影響力は大きく、相手や自分を動かすエネルギーになることが分ります。
誰かとコミュニケーションをとるときや、自分が何かをしようと立ち上がるとき、言葉がいかに重要な役割を果たすのか、ファイト!を通じて学ぶことができました。
もちろん、思いや信念、思いを達成しようという意識や行動の表れが言葉であり、言葉だけが独り歩きをしても、相手には伝わらないし自分も変われる筈はありません。
前向きな自分をつくるプロセスでこそ「言葉」が活きてくるとも考えています。
今はまだ自信がありませんが、これからは自分なりの未来のために、常に精進し、前に、たった一歩でも前に進んでいきたいと、改めて決意したのでした。