よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

なんでわからないのかな地域連携の重要性

毎日新聞医療制度改革の話が掲載されています。
療養型病院の記事が載っていましたが、とても悲しいですね。
勿論、病院や施設の機能を明確にする、コストを明確にする、合理的な組織運営をする、といったことについて日本人は少し不得手である気はしないでもない。でも準備ができていないんですよね。

いくら欧米の平均在院日数が10日、いや5日をきったという話があっても、日本はせいぜい15日、14日といった議論。療養型や一般病床でも老人急性期であれば、実際は結構ながめですよね。日本の住宅事情や家族の状況もあり、そしてなによりも日本の文化といった点からもなかなか難しいことが沢山あります。

そんなときに療養型病院や急性期であっても老人を積極的に受け入れている病院が、一定のバッファーになっていたんですから。でも、そのへんにメス。そして介護保険適用への転換。さらに介護保険の給付の低減、といったなかでの対応。難しい。

だから在宅医の存在はとても重要。
医療系での役割を在宅医に求める。勿論、自宅ではなく、施設やマンションを居宅として取り扱うにしても、医師がいることが安心につながるわけです。前提として診療所の役割も。とても重要です。

病院は病院として、診療所は診療所として、在宅医は在宅医として(勿論、後者2つは一致することもありますが)、機能を明確に果たすなかで患者さんを救うことができます。ぎりぎりかもしれないけれどもみなで連携を考え、今の制度のなかで、そして変化しつつある制度のなかで最大限の成果を挙げていければよいですね。

地域連携は地域連携室だけのものではなく、病院の全体戦略である。
すべての医療従事者の課題であることをもっと理解して欲しいですね。