よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPCをどう考えるのか(2)

医事だけではありません。DPCについていえば、疾病別の原価を把握できなければ、しらない間にロスが生れます。治療すればするだけ、入院させればさせただけ病院経営にロスが発生することになります。
行為別原価計算及び患者別疾病別原価計算を実施できる体制を整備することが必須となります。

また、DPCによる平均在院日数を短縮するためには、医療の質そのものを向上させることが必要です。パスを利用するといった単発での対応ではなく、リスクマネジメントの徹底による平均在院日数短縮阻害要因となるアクシデント、インシデントをどのように排除していくのか、そしてVAを行いながら業務改革を実施、不必要な業務をできるだけ効率化するといった活動を組織として徹底して実施することが必要です。

マニュアル、教育といったキーワードが有効です。医療の質の向上そのものについて何をしていけばよいのかといった命題に、果敢に挑戦することが実はDPCにおける点数をアップする要諦である、ということがいえると考えます。

常に本質論から医療を考える。どうすれば同じ時間で多くの患者さんに多くの医療サービスを提供できるのかという命題を具体的な活動に転換していくことが必要です。よい病院になることがDPCをうまく適用する大きなポイントであると理解する必要があります。

「ドクタートレジャーボックス記載記事」