よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(3)

現場においては、数字といっても、当初数字は指標をいいます。

指標はCI(クリティカルインディケーター=臨床指標)です。あるICUの看護師さんは、医師が、ん~ん。もうそろそろ一般病棟に移そうか、といったときなぜそうであるのかをさまざまな臨床データで知りたい、まとめたいということを部門目標の一つにあげていました。


また、術前検査のチェックシートにCIを記載する欄をつくり、もっと看護師が率先して患者さんのことを知ろうという会議がパス委員会であったりします。

栄養課の管理栄養士さんは、パスでいえば、治療食の開発や治療食が身体にどのような影響を示しているのかについてCIを設定しチェックしたいという目標を立てていました。単に栄養指導だけではなく、自らのプロとしての意識のもとでの見識でしょう。

という具合にマネジメントサイドでの発想と現場での発想はもともとは異なります。
し・か・し、経営の状況によって、マネジメントの意向を徹底しなければ経営がなりたたないという病院は、やはり、職員もコストに、あるいは収益に執着してきます。


患者さんを早期に退院させる(但し、利用率が高く、待機患者がいる場合には効果的=平均在院日数短縮、手術実施、利用率向上、早期退院、手術適用患者の紹介受け、手術実施がいちばん利益がでるからです)。

家族がMSWさんに患者を押し付け、早く出てください、病院や施設をさがします(入院して2ヶ月経ってからスタートしていました)、といった感じで動いていました。ディスチャージ(退院支援計画)、患者家族支援ってなに、みたいな看護師さんが沢山いて、ほんともうはやくでていってもらわないとね~。みたいな。

早くでてもらい、手術を増やす。収益を生みます。
病院のマネジメントの巧拙が個人の医療従事者に影響を与える時点です。患者さんは経営上においても現場においても、病院からみて治していかなkればならない患者さんではなく、お客さんになった瞬間です。ヤバイ病院はなおさらです。