よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

業務改革について(3)

マニュアルを作成したあとは、運用です。マニュアルの運用によりマニュアルに記載せれていることをそのまま習得するケース、そしてマニュアルを改訂し、改訂したのち習得するケースがあります。

 まずは、そのまま運用することは、個人知を収集したマニュアルを組織知化することと同義です。個人が組織に知識(ナレッジ≒知恵)を提供。組織が多くの個人に知識を提供。
 結果としてマニュアルを媒介として個人の知識が組織の知識に昇華する、という状況となります。
 マニュアルはあるレベルまで組織全体を誘導する力をもっています。逆にいえば、この段階のマニュアルのレベルが低ければ展開される知識も低いレベルとなります。

 すなわち、マニュアルのレベルを高めていくためにマニュアルは常に改訂しなければなりません(次のステップです)。個人が常に工夫し、創造し、頭をつかい発想し、仕事をする。業務改革(マニュアル改訂)ができるよう導いていくための教育を行なう必要があります。
 ここにマニュアルを改訂しつつ運用するためには、何のためにマニュアルを運用するのかを明らかにするとともに、どのように考えながら仕事をし、業務改革していくのかを一人一人に知らしめる教育を行なわなければならないのです。
 仕事に意欲をもたせる、姿勢や態度を変える、ということだけではなく、具体的な考え方、考える方法、創造の仕方といった業務改革を行なうための技術についても教育していく必要があります(続く)。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」