よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

アメリカンフットボールはマネジメントそのもの(3)

 戦略を決定し、フォーメーションを練りまくり、PDCAサイクルを廻す。日頃からケースを勉強し、
他の試合をみて、相手の弱点をみつけ、また自院の強みを身につけ、戦いに望む必要があります。

 アメフトの場合にもメンバーが入れ替わり立ち代り代わります。

 大きいチームは1軍2軍とあり、たくさんの代替メンバーがいますが、小さいチームは場合によっては裏表(攻撃も守りも)が同じメンバーであったりする弱小チームがあったりします。
 そのときには優れたメンバーがいても、結局は後半になると疲労でけが人続出試合継続不可、といった状態になることがあります。定着率をあげなければならないのも同じです。11人だけではなくたくさんの控えがいるチームが確率的にスターをたくさん擁することにもなります。

 NFLは全米からセレクションを受けたよい選手が各チームに入ります。もともとプロとして小さいときからトレーニングしてきた、あるいは大学で徹底して訓練されたメンバーが入るから華麗なみていていも感動するドライブ(動き)ができるのです。

 病院においても私たちはプロである。もっとプロトして懸命な生き方をしよう。プロとしてチームを引きて、組織のなかで徹底的な成果を限られた時間であげていこうという思いがなければ試合に勝つことはできません。誰かがいわないから、誰かから指示をされないから、もっと楽なプライベートがあるからといったことではよい医療ができるはずはありません。

 今日K病院の事務長から携帯に電話がありました。今日は日曜であるにもかかわらず朝から病院で作業をしていて疑問なところがあったと話されていました。昨日も出ていたとお話されました。市立病院でありながら懸命に一定時間までに成果をあげていきたいという事務長の情熱には、オーラのようなものが感じられます。そのなかでいくつものチームが立ち上がりつつあります。
 
 医療は勿論、ゲームではありません。しかし、あらゆるゲームにはロジックやシステムがあります。そしてそれを利用して成果をあげる高いスキルをもった個人がいます。組織運営上、ロジックやシステムに学ぶべきところがあれば、たとえゲームであっても学ぶべきであると考えます。
 組織はオーケストラである、といった言われ方をしたり野球のチームであるといわれたりすることもよくありますが、まさにアメリカンフットボールは組織運営において学ぶべき多くの事柄があると、最近よく考えることが多く、取り上げてみました。

 機会があれば組織を任されたマネジメント、そしてチームを牽引する役割をもったリーダーはアメリカンフットボールの試合をTVでみてみるとよいでしょう。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載」