よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

アメリカンフットボールはマネジメントそのもの(2)

 でもって感心するのは、反則には厳罰があり、すぐ5ヤード、15ヤード罰退があったりします。
 フェイスマスクに手をかける、攻撃を後ろからする、パスを受ける前にプッシュする、攻撃する前に動く、時間内に攻撃しない、危険な行為、有効ではなくなる状態であるのに(ラインを出るとか)さらに攻撃する、などたくさん罰則があります。
 コンプラインアンスが徹底されていて、さすがアメリカだと思いました。

 個人のスキルも結構大きく求められますが、やっぱりチームが一体となりそれぞれの役割を果たしてやっと成果をあげるということになります。オフェンスのラインが弱ければサックといわれていますが、QBは倒されます。だからいくらよい技術をもったQBでも処理ができません。ランについてもパスについても受ける者ができなければ試合は進まないのです。
 
 相手をだますためにどう動くのかといった意味では、フェイントやフェイクといったことがこれほど、
要求されるものもありません。

 先日のオンワードと法政大学の社会人対学生はたった1点差で法政が負けましたが、キッカーによるキックでタッチダウンして6点とったあとの1点のキックでの点数がとれなかったことが勝負の分かれ目でした。法政は毎日練習しているので、見ごたえのあるフォーメーションやフェイク、びっくりする面白い作戦で勝負していました。
 
 オンワードはそれこそクラブチームでバラバラな会社の人が参加して練習時間も少ないなかで、単調な作戦ではありましたがしのぎながら結局絶対に勝つという根性で勝ちをもぎりとったという感じでした。
 技は学生がありましたが、勝ちたいという意欲とチームワークでの勝ち、といった感じでしょうか。

 病院も院長をベースに前面に出て走り、受けるメンバーがドクターであるとすれば、それを守る看護師やコメディカルはラインということになるでしょうか。戦略を決めるのはコーチすなわち理事長であったり理事会であったりしますが、結局なんだかんだいっても全体の動きを上からみて、(無線で)院長に指示を出すといった方法も病院と同じです。
 
 アメフトの場合には前半と後半の4Q(ワンクオーター4回)で試合は終わります。病院は毎月が1Qのようなものです。12Qを戦いぬかなければなりません。観客=患者さんや地域住民が本当に心豊かに満足し、自ら範とできるよう、チームが一体となり一定の時間の範囲で、成果をあげていく必要があります(続く)。
 
「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」