よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(11)このごろ、部門計画ばやりなんです~ぅ

5つのクライアントで、職員アンケート、経営方針立案、部門方針(計)への落とし込み、そして各部門の月次の行動チェックによる行動計画検証といったことが行なわれています。

やっぱり組織の方針が部門の方針に落ちて、それが具体的な行動計画になることって当たり前ですよね。個人でも、PDCAですし、組織でもPDCAですから…。でも実際は病院においては患者さんについては、観察、診断、計画、実施、記録、評価(監査)といった看護プロセスのPDCAや、オーダーが起案となって実施される仕事のなかのPDCAといった現場での仕事が中心となっており、全体のPDCAはどちらかというとイベント化していますよね。

すなわち、はい機能評価取得に向けて、はい個人情報保護法が4月1日からはじまるからね、はいついでにプライバシー保護のためには…、でさ~、医療監視があるんだけど…。リハの強化をするためには、まずPT採用で…、でもOTはどうするんですか~、とか…。

結局したに降りてきた課題を必死になってその都度こなしていく部分がメインになります。
医療安全対策委員会や、感染症対策委員会、栄養管理やパス委員会やといったように継続的に必要な、そえれが法定であるか自前であるかは別にして…。行動があります。

これらを俯瞰(ふかん=全体をとらえ)し、鳥瞰図的(うえからみたうえで)に捉え、3年の事業計画にあわせ、毎月の行動計画を全体的に捉え、全員がいまどの位置にあるのかについて理解したうえで、行動するといったことがあれば組織力はめちゃめちゃうまく発揮されてきます。

組織でしか解決できない課題、
部門間で協力すれば解決できる課題
組織全体が動かなければ解決できない課題
制度を改訂しなければ解決できない課題
がありますから…。

すべてを全体として計画し、全体の進捗状況を、全体の調整を図りながら、最大の成果があがるように、
誘導していくことが必要です。そのためには、解決策と幹部がきちっともち、現場を動機づけるだけではなく、現場に答えを提示していきながら活動をしていく必要があります。

これが実は目標管理制度ではあります。ただし、最近スタートした病院は、個人に落とし込む前に、部門が行動計画を毎月検証しながらそれらを実行し、成果をあげていけるかどうかがポイントで、これができたのち、個人へのブレイクをしていくという方向で支援させていただいてます。

個人個人の力、チームの力、各部門の力がうまく相乗して、最大の成果をあげていただくことで、スタッフにとって働き易い、そしてだからこそ、患者さんにとって信頼できる安心できる病院が生まれます。
トップのリーダーシップのもと、医師、スタッフの皆さんが目標管理制度の恩恵を少しでも受けることができることを願っています。