よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

やるべきことをやるということ

 昨日は関西のある県で、病院2つを訪問しました。夜は介護事業者との会議があったので東京に戻りましたが、今朝は大阪でセミナー、午後は市立病院でもミーティングがあったため、新幹線に2日で往復10時間も乗り続けました。結構疲れました。

 でも、もっと疲れることがあります。というより、とても心配です。

 医師の引き上げにより、患者が減り、利用率が減り、収益が減る、という状況が多くの病院に訪れています。
 しかし、病院の経営資源を活用し、最大の成果をあげようという姿勢がみえません。
 手のほどこしようがないほど、資源が毀損しているケースは別として、そうではない病院まで医療制度改革に、自院の業績不振原因の責任をなすりつけていることが多くあるのです(これが心配のもとです)。

 勿論、どのように経営してよいのかが判らないという事務長の意見も理解できます。病院経営専門家がいない、という状況のなかで、病院経営全体を俯瞰できるマネジメントを行うことができないということも事実です。
 ただ、なんとかしようという意欲がみえない。あげくのはて、なんとかなるだろうという療養型病院のトップもいる。護送船団方式下における成功体験の呪縛から解き放たれる必要があります。もう誰も守ってくれない。自らが行動し、出来る限りの成果をあげる。

 制度に翻弄されない、やることはやる。という意欲や姿勢をもつことができる、あるいはもとことができた病院しか、私は残れない、と感じています。 具体的な方法論がわからなければ、外部スタッフを使うこともできます。行動しない、働きかけすらしていないトップは、いま自らを覚醒しなければなりません。
 
 いつの時代においてもやれることをやり続けてきた、成果をあげつづけている病院が多数あることを知る必要があります。

 いまある経営資源を活性化することで、新たな需要を創造することができます。それは医師にも波及し、医局からの医師派遣をも誘導することもできます。プラスのスパイラルをつくる活動を開始する。それが事務長や病院トップの責務であると考えています。