よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

DPC及び後期高齢者医療を前提とした仕組みづくり(3)

3.各委員会の役割
 各委員会は経営改革委員会を中心として、DPC後期高齢者制度を意識した活動を行っていく必要があります。DPC後期高齢者医療制度を無視して運営をしている現状において、これから起こるあらゆるリスクを回避することはできません。

 戦略的にどのような方針をもち、この病院を運営していくのか、平成22年4月から出来高による請求に代わり、急性期で採用しなければならないDPCにはどのように対処していくのか。そのために何をしなければならないのか。そして、後期高齢者医療は20年4月から導入されますので、その対策も議論しなければなりません。

 制度の変化がどうであれ、常に医療の質の向上に向けた活動を行っていくことといった概念的な指示をすることも必要ですが、ここに至っては具体的な方針や具体的な指示を出し、現場がリアリティのある動き方ができるよう、手を打っていく必要があります。制度の変化について、どのような対応をしていけばよいのか、ほとんど何も議論されていない現状で、次の手を打つことはできません。
   環境変化に対してどのように行動すればよいのかを決定していくことが必要です。

4.まとめ
 厚生労働省は、2011年度までに国と地方を合わせた社会保障費を1兆6千億円抑制しようとしています。彼らの決意はゆるぎはありません。ゆり戻しがあると考えて行動できない病院は必ず淘汰されます。DPCにおいてやることは明確です。医療の質の向上のための科学的管理を導入することです。後期高齢者医療制度においても増患のための地域連携や戦略の明確化が必要となります。この病院をどうするのかについて徹底的に議論し、決定し医師を交えてどう行動するのかについて話し合いをもつことがまず第一歩であると考えます。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」