よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

日本と中国(3)

 医療と介護の問題は世界共通です。
 確かに高齢者が増えてきたことは間違いありません。
 高齢者が安心して生活できる社会をどうつくるのか、世界中の国の悩みでしょう。高齢者が長命になる。社会で活躍するそんな機会をより多くつくりあげるとともに、健康でいられるよう医療や介護、福祉を徹底して整備すること。それが大きな課題であると考えます。

 自助的に一人一人の国民が常に目標をもって、使命感を感じながら他者のために何かをしていく、そんな人や企業が増えれば、絶対にその課題はクリヤーできる、といつも考えています。

 互いに相手を思いやり、他者のために行動することを厭わない。そんな人がたくさんいる社会はどんな社会なんだろう。道を歩いていて、互いを気遣う、生活をしていて助け合いながら生きていく。自分のできる範囲で何か社会に貢献できることを探しながら活動する機会をもつ、そんなことができる精神性と思いをもてる人生を送れる社会。

 格差(言葉は嫌いですが)はあってもよい。それは個人の努力に対する成果である可能性があるから。しかし、失敗したり挫折してもそれを支え続ける社会があれば、いつでも復活するチャンスがあればよいと思う。どうしてもだめなら守ってあげればよい。誰もが公平公正であるということと、平等であること、それは努力をしない人もする人も同じ扱いを受けることではないと思う。ただ、うまくいかない人、負けた人、弱者に手を差し伸べる優しさはほしい。制度がなければならないと思います。

 中国で、北京大学付属人民病院のドクターがいいました。お金のない人には最低限の医療はするが、それ以上はしません。この病院は赤字になることを選択はしていないのですから…。いままでずっと黒字です。と胸を張って説明してくれました。社会主義国家でありながら、こうした意思によって病院が運営されている。市場経済を導入したっために、さまざまな社会問題が惹起している。教育、犯罪、家庭の崩壊、拝金主義…。中国の特許である親孝行が捨てられている(続く)。