よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

日本を救う地域支援協議会(2)

多くの現場にコーディネーターが必要な理由は次のものです。
①患者を地域でどう考えるのかについて個別にそれぞれが動いている

②患者のアウトカムがうまく設定されていない(介護中心になっているため)
 
③患者の立場にたったプランであったときにそれが修正される機会が少ない

④関係者でのカンファレンスが合理的に実施されていない

⑤お互いが、それぞれを理解していない

⑥在宅医(開業医)、訪問看護、居宅支援の三者がうまく機能して動いていない
   
⑦行動が第三者的に管理されていないので、質の評価が行われづらい

三者では解決できない数多くの問題がある(施設から在宅、高専賃への移動や在宅づくり、有料サービスのアレンジ、緊急時対応等)
   
⑨相談する相手がいない、情報交換や交流する公的な場がない、ノウハウを標準化する手段がない、サポートしてくれる組織がない

⑩最終的には中核病院が患者の中心軸に置かれるが、どこをどう選択してよいのか現場で働く者には評価基準がない

 これらの問題解決を行うため、地域支援連絡協議会といった組織を病院が組成し、上記解決について対応していく必要があります。
 こうした対応は、『病院からみれば地域の信頼を得るもっとも有効な手段であり、患者を出すときの受け皿づくりといった単なる後方連携だけではなく、高齢者家族や知人を介しての前連携に対してもイニシアティブをとることができるようなるはずである』という仮説を検証する手段でもあります。

 地域支援協議会は、地域介護連携があるべきかたちで進むよう、病院がそれらを解決的に支援していくことを活動の目的の一つとしています(続く)。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」