よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

暗闇のなかを、電車は西へ走り続けています

 ピッチが使えない地域で仕事をしていて、いま数日前のことを思い出していました。
私達は移動が多く、大きなかばんをもって全国を行脚?しています。一場面を切り出してお伝えしましょう。

「真っ暗な空間を一両の電車が疾走しています。ときおりちかちかと、きれそうな白熱球をつけた街灯が、線路の傍を通りすぎていきます。

しばらくすると無人駅に近づき停車します。駅の周りには電車を待ち構えていたように、カーテンは引かれているけれども、家族の団欒を感じる窓のある家がいくつも並んでいます。

ただ、発車しますという録音されたワンマンカー独特の女性の声が聞こえ、縦折れ(横に開くのではなく、縦に折れながら開く)ドアが閉まると、またすぐ真っ暗な世界を電車はひた走ります。

こんなことを何回も繰り返し、地元の人々の生活の一部である電車は、着実に日本海の形に沿って、西に西にと進んでいきます。スーパーの袋にいっぱい食料品を詰め込んだ老人が、向かいの椅子に座り、はだしの足を掻き始めました。近隣に職を求めた壮年の男性が思い思いに自宅までの時間を過ごしています。

任天堂)DSを手にとる者。読書をする者。女子高生が床に座って化粧をしていたりします。この人達は街のどこかで、あの暖かい窓の家に住んでいて、もしかしたら懸命に生きている、のんびりと暮らしている、明るく生活している、悩みながら時を過ごしている…。

喧騒のなかで、日々時間に追われている私達はこうして通りすぎる街の息遣いに触れながら、街から街へとながれ仕事を仕上げてまた次の街に向かう。とても対象的な風景を他人事のように感じることができるのは、久しぶりのような気がします。

明日の朝、先発して会計監査の仕事をしているメンバー3名と浜田市のホテルで、朝8時に待ち合わせしています。今日、そのホテルに到着するのは、たぶん23時45分程度になると予想しています」。