よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

ある病院での管理者会議での私の発言

いつもこんなことを話しています。

「増患する、利用率を向上させるということを基本的な行為として、これを重点的に実施していく必要があります。なんといっても、結局はベッドを埋めるということが点数アップの帰結です。

なお、そのためにインセンティブ制度を導入することで、一人当たり医師がみる患者数を増やすということへの道を広げていく必要があります。

回復期の活用による増収も、あるいはダウンサイジングによる対応も結局は、本論ではありません。現状のベッドをどのように廻していくのかについて考えなければなりません。

損益分岐点売上高からの乖離低減 

②部門別損益計算からの自科の分析

③仮に10人入院患者を増やしたらどうなるかのシミュレーション

④逆紹介している患者を自院で診た場合の点数計算
といったことが医師との話し合いのなかで議論されなければなりません。

なお、今外来で治療をしている患者を入院させるのではなく、逆紹介してしまっている患者を入院させ治療をするのですから、特に悪い評判が立つこともありません。
 
手術ですが、例えば執刀医を招聘して手術を行うといったことについても積極的に取り組みを行う必要があります。本来であれば、赤字にならないよう少しでも利益がでるのであれば、医師を招聘して執刀してもらう必要があります。

患者の評価をあげることや、固定費を回収するためにも、とにかく手術を実施できるようにしていかなければなりません。

また既にSWOT分析を実施して、強みや弱みについて十分に理解をしているわけですから、紹介を受ける患者や先、そして逆紹介する患者や先について分析を行うとともに、何が自院での得意分野であるのか、あるいは伸ばしていくべき分野であるのかについての議論をしていく必要があります。

繰り返しになりますが、そのときには医師を増やすことも含めて考慮しなければならず、手を尽くして医師を集めていかなければなりません」